SSDにDRAMやHMBは必要なのか?

PC関連
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自作PCやBTOパソコンでは、CPUやグラボに注目が集まりやすいです。
しかし、PCの快適な動作には「SSD」も欠かせません。
ただ、SSDは何を基準に選ぶべきなのでしょうか。
そこで「DRAM」や「HMB」の話が出てきます。
今回はDRAMを中心に、SSD選びに役立つ情報をお届けします。

SSDにDRAMやHMBは必要なのか?

SSDは最近進化してるよね~!

そうですね。SATA接続タイプより、高性能なM.2タイプが人気を集めていますね。

だよねぇ。そのM.2タイプなら、適当に安いやつを選べば大丈夫なんでしょ?

それはどうでしょうか。ものによって性能や耐久性に差が出てくるようです。

えっ。そうなの?どうやって選べばいいのかな。見た目は似たような感じだけど。

ではSSDを選ぶ際の、大事なポイントについて確認していきましょう。

最初に結論からお伝えしますと・・・
SSDはDRAM搭載がおすすめ。
HMBは擬似的にDRAMに近い機能が期待できる技術。
ざっくりした要点は以上となります。

そもそもDRAMとは何なのか?

SSDにDRAMが搭載されているのが望ましいのは間違いありません。
ただ、そもそもDRAMが何なのか整理できていれば、より理解が深まります。
そのため、予備知識としてDRAMについて触れておきたいと思います。

DRAMの主な用途は「メインメモリ」

DRAM(ディーラム)は、主にメインメモリ(システムメモリ)として機能しています。
メインメモリとしてのDRAMは、これまで何度も改良が重ねられました。
結果、DDR4 SDRAM、DDR5 SDRAMなどの規格が生まれます。
そして、今も多くのユーザーに利用されているのです。

メモリは揮発性と不揮発性に分けられる


実は、SSDも「メモリ」の一種です。
メインメモリも、SSDも、「記録する」という意味では同じだからです。
では、いわゆる「メモリ」と「SSD」の異なる点を整理しておきたいと思います。

キーワードは「揮発性」と「不揮発性」です。
※ちなみに揮発性は「蒸発しやすい」という意味があります。

揮発性メモリ:RAM(Random Access Memory)
主にPCのメインメモリに利用される。
電源が入っている時のみ記録できる。
不揮発性メモリ:ROM(Read Only Memory)
SSDやUSBフラッシュメモリなどに利用される。
電源を切っても記録が残る。

漢字だけ見ると分かりにくいですが、意味と合わせると理解しやすいと思います。
揮発性は「蒸発しやすい」ですから・・・
電源が切れるとデータも消えるメインメモリは「揮発性」(蒸発して無くなるイメージ)
電源が切れてもデータが残るSSDなどは「不揮発性」(蒸発せずに留まるイメージ)
ということになります。

DRAMは揮発性メモリの一種

ここまでの説明で「DRAM」が揮発性と不揮発性のどちらなのかお気付きかと思います。
DRAMは、揮発性メモリの一種となります。

えっ?揮発性ってことは消えちゃう方だけど、SSDはデータ保管できるじゃん。矛盾してない?

たしかにSSDは不揮発性で、データの保管が可能です。
しかし、SSDに搭載されたDRAMは、揮発性ならではの真価を発揮して性能向上に貢献しているのです。
※データ保管は、NANDと言われる不揮発性メモリが採用されています。

キーワードは「バッファメモリ」です。
ここで、バッファやバッファメモリについて整理しておきましょう。

・バッファ
複数の主体(機器やパーツなど)がデータを送受信する際に、処理速度や転送速度の差、タイミングのズレなどを補うためにデータを一時的に蓄えておく記憶装置や記憶領域のことを言います。
・バッファメモリ
異なる種類の機器や回路の間でデータをやり取りするときに、処理速度や転送速度の差を補うために、データを一時的に保存しておく半導体メモリ装置のことを言います。

つまりバッファメモリは、データのやり取りをスムーズにするための装置と言えます。

SSDにDRAMが搭載されるメリット

ここで、SSDの構造についてざっくり整理しておきます。
SSD内部は「NAND」と「コントローラー」があります。
SSDが最低限機能するためにはこの2つが必要です。

NAND:データの保管場所(不揮発性メモリ)
コントローラー:その名の通り、データの送受信を管理する役割

ただ、この「DRAMレス」のSSDでは、データの確認に時間がかかりやすいという弱点があります。
理由は、送受信のたびにNANDにアクセスして、データを探さないといけないからです。

この問題を解決するために「DRAM」が活躍します。

NAND:データの保管場所(不揮発性メモリ)
コントローラー:その名の通り、データの送受信を管理する役割
DRAM:バッファメモリとして、スムーズなデータの送受信に貢献

SSDにDRAMが搭載されることにより、以下のようなメリットが期待できます。
※DRAMレス(非搭載)のSSDと比較して。

・データの転送速度(読み書き)※特に書き込みで大きな差
・応答時間の向上
・耐久性で有利

これらのメリットが、具体的にどのような恩恵があるのか整理してみましょう。

・オンラインゲームで、素早く反応しやすくなる。
・PCがサクサク、キビキビと、動きやすくなる。
・大量のデータをやり取りしても速度低下が起こりにくい。

などなど、メリットは大きいです。
DRAM搭載のSSDは「システム用」「データ保管用」どちらのストレージとして利用してもメリットはあります。
ただ、Windowsがインストールされるシステム用の方が、恩恵は高いと思われます。
理由は「頻繁にアクセス」されるからです。
頻繁にと言うより、常に何かしらアクセスしているとも言えます。

つまり、アクセスの頻度が高ければ高いほど「DRAM」が搭載されているSSDの方が有利です。
より高速で負担が少なくて済むDRAM搭載SSDの方が性能も向上し、寿命も長くなりやすいです。

DRAMのメリットばっかりだけど、デメリットは無いのかな?

デメリットもあります。
主なデメリットは以下の2点です。

・価格差(数百円~千円ほど)
・突然の停電時にデータ消失等が発生しやすい
当然価格差は生まれます。
単純にDRAMが搭載される分の追加ですね。
ただ、これだけの恩恵があって千円程度の差は決して高くないと思います
またDRAMの性質上、バッファメモリとして機能するので一時的にデータが保存されます。
その機能している真っ最中に、突然停電や電源トラブルで切れてしまうと、データが消失しやすいことになります。
ただ、そのような電源トラブルが発生する可能性は極めて低いため、知識として知っておけば良い程度であり、気にする必要はないレベルと言っていいと思います。

HMBについて

最近HMB搭載のSSDを見かけるようになったけど、DRAMと何が違うの?
たしかに最近見かけることが多くなってきましたね。
それではHMBとDRAMを比較して相違点を整理してみましょう。
HMBは「Host Memory Buffer」の略。
DRAMと一番違うのは「DRAM無しで擬似的にDRAM搭載に近い性能を目指した技術」と言えます。
えっ?よく分からないんだけど?
HMBの具体的な特徴は以下の通りです。
SSD内ではなく、メインメモリの一部分をDRAMの代わりに利用するもの。
そのためDRAM非搭載でも、それに近い性能が期待できる。
そして、DRAMと比べると性能では劣るが価格面で競争力がある。
ただメインメモリとアクセスするため、DRAM搭載SSDよりスピードは出ない。
しかしDRAMレス(非搭載)SSDに比べると、性能や耐久性は有利となる。
つまり、DRAMが無い代わりにメインメモリ(システムメモリ)の一部分を借りてDRAMのように利用させてもらう。
これがHMBの仕組みとなります。
そのため費用面ではDRAM搭載より安く済みますが、性能では劣ります。
しかし、DRAMレスより費用は多少かかりますが、性能の向上は期待できます。
ざっくりとしたイメージですが、「DRAM搭載と非搭載の中間ぐらい」の立ち位置と言えます。

DRAM搭載SSDの具体例

DRAM搭載SSDが良いのは分かったけど、選ぶのが面倒なんだが・・・
最終的に自分で納得したものを選んでいただきたいところです。ただ、参考にひとつだけおすすめなDRAM搭載のSSDをご紹介します。
それはKIOXIA EXCERIA PLUS G2 SSD-CK1.0N3PG2/N です。
※2023年10月に新モデルがリリースされています。
選んだ理由は以下の通り。
・価格に競争力がある。
・日本メーカー(東芝メモリが製造、バッファローが販売)
・日本の工場で生産
・同価格帯のSSDの中でも性能はトップクラス!

まとめ

いかがだったでしょうか。
今回はDRAMを中心にSSDの選び方に役立つ情報をお届けしました。
DRAMが搭載されるメリットの割に、費用負担が少なくて済むことが分かりました。

少ない価格差で、たしかな性能面のメリットがあるDRAM搭載のSSDは魅力的だと思います。
しかし、市場ではDRAMレス(非搭載)のSSDも多く出回っています。
価格だけに惑わされずに、納得のいくSSDを選んでいただければと思います。

今回はここまでとなります。
少しでも参考になれば幸いです。
それでは良いPCライフを!

Bitly

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