今回は、一切の忖度なしでゲームアプリ「ブルーアーカイブ」のレビューをさせていただいた。
ブルーアーカイブ(ブルアカ)のレビュー・評価
・独特な世界観と、個性的な各キャラに関連するコンテンツが豊富なのが魅力。
・しかしメインストーリーなどが、フルボイスではないのが残念。
ゲーム概要
ゲームタイトル:ブルーアーカイブ(ブルアカ)
開発/運営:NEXON Games / Yostar
ジャンル:学園×青春×物語RPG
対応OS:iOS / Android
配信開始:2021年2月4日
画面:ヨコ型
プレイ時間:約20時間
プレイ時期:2023年5月
学園都市を舞台に、美少女たちがセミオートで銃撃バトルを繰り広げるのが特徴。
爆発や貫通などの属性や、屋外や屋内などのロケーションを考慮してのPT編成が重要。
個性あふれるキャラたちと、交流できるコンテンツも多く用意されている。
ゲームの特徴
ブルーアーカイブの舞台は、数千の学園で構成される学園都市となる。
主人公は「先生」となって、生徒たちと一緒に事件やトラブルを解決することになる。
グラフィックはパステルカラーが印象的な世界観で、とっつきやすいイメージだ。
具体的な進め方は以下の通り。
まずはPTの編成だ。
前衛4人、後方支援2人の計6人となる。
編成のポイントは、攻略予定のステージにて「敵情報」を確認しておくこと。
出現する敵は、軽装備や重装備などの属性があるのだ。
そのため敵の属性に有効な、爆発や貫通などのキャラを編成しておく必要がある。
この辺りは、ゲーム内でもチュートリアルにて解説があるので安心だ。
その他、耐久力のあるタンクや、狙撃が得意なスナイパータイプをバランスよく編成しよう。
バトルが開始すると、画面固定の見下ろし型のフィールドが表示される。
プレイヤーが操作しなくても、出撃したキャラはオートで戦ってくれるのだ。
そのため、いわゆるザコはAIに任せて、強敵が出てきたら手動でスキルを使うなどの戦略が必要。
手動スキルはキャラによって固有となっており、攻撃特化型もあれば、補助型や回復型もある。
・攻撃ばかりにすると、敵の攻撃に耐えられずに失敗。
・補助や回復ばかりにすると、クリア時間の目標に届かず「S評価」が取れない。
そのためステージに合わせて、柔軟な組み合わせにするのが望ましい。
ここまでは「任務モード」が前提となる。
ブルーアーカイブには「ストーリーモード」もあるが、仕様が少々特殊だ。
一般的なゲームでは、ストーリーモードのステージで、キャラを編成することが多い。
しかしブルーアーカイブでは、メインストーリーは「ストーリーを読む」のがメインで、バトルはそれほど多くない。
しかもバトルは、メンバーが固定なのだ。
つまり育成は関係なく、ストーリーに関係するキャラが事前に編成されている。
そのため、普段編成しないキャラを扱うことも多く、新鮮な体験になるかもしれない。
メインストーリーは、任務モードで攻略に行き詰まった時に、じっくりプレイするのも良いだろう。
ブルアカでは、任務やメインストーリー以外にも、多くのコンテンツが存在する。
・育成素材が獲得できる各種ステージ。
・各キャラたちの深掘りができる、サブストーリーやコンテンツ。
・他プレイヤーとスコアで競える、やり込み特化コンテンツ。などなど・・・
プレイヤーが楽しいと思えるコンテンツを、自分のペースで進められる設計となっている。
課金要素
ガチャ10連は約2,600円。(※回数限定ボーナスを考慮に入れず)※10連で石1,200個消費。
最高レアリティの☆3キャラの排出率は3%となる。
(※ピックアップ時は0.7%+ピックアップ以外2.3%となる。)
ピックアップの天井(呼び出しポイント)は200連となる。(すり抜け無しの選択制)
その他、各種育成アイテムのパッケージや月パスなどがある。
評価できる点
バトルが程よい難易度
ブルアカのバトルは、キャラゲーらしい程々の難易度が特徴だ。
難易度は、高すぎても低すぎても評価されずらい。
その点、ブルアカのバトルはセミオートなので、高度な戦術は不要だ。
しかし、要所でスキルのタイミングなどが求められるので「程よい」のだ。
むしろ、属性などを意識した事前の編成の方が、ウエイトは高いと言える。
ステージクリアの目安レベル以上のキャラを編成すれば、問題なくクリアできるだろう。
ブルアカのジャンルはRPGとなっているが、シュミレーション要素の方が強い印象だ。
その他にも、バトルで良い点があった。
一度、最高評価でクリアしたステージでは「スキップ機能(掃討)」が使えるようになる。
地味だが、忙しい時にスタミナが満タンになっても一瞬で消化できるのは魅力的だ。
無/微課金でも無理なく楽しめる設計
ゲームによっては、ある程度の課金をしないとまともにストーリーが進められない。
ということも珍しくはない。
しかしブルアカは違う。
前述した通り、ブルアカのメインストーリーは育成不要でストレスフリー仕様である。
純粋なストーリーと若干のバトルを楽しむだけであれば、かなり気軽にプレイできる。
また任務モードでも、レベルと編成に気を付ければ、苦戦することは少ない。
ある程度プレイして、ブルアカと相性が合えば、本格的にやり込んでいけばよいだろう。
推しキャラを楽しめる工夫
キャラゲーならば、キャラを楽しめる工夫は重要だ。
特に推しキャラがいれば、なおさらである。
ブルアカでは、キャラを楽しめる工夫が多く確認できた。
その中から、特におすすめできるポイントを2つに絞ってご紹介したい。
メモリアルロビー(待ち受け画面)
ソシャゲの待ち受け画面では、多くのゲームでキャラを差し替えて表示できる。
それはブルアカでも同じ仕様だ。
しかし、ブルアカはそれだけではない。
一般的な画像に加えて「Live2D」の待ち受けも存在するのだ。
利用可能なキャラを設定すれば、リッチな待ち受け画面に変更できる。
しかも画像だけでなく、BGMも合わせて変更されるのもポイントが高い。
推しキャラをLive2Dの待ち受けにすれば、毎回ログインするのも楽しくなるだろう。
キャラのレアリティアップ
ソシャゲあるあるだが、各キャラにはあらかじめレアリティが存在する。
せっかくお気に入りのキャラが見つかっても、低レアだった場合は残念になる。
しかしブルアカは違う。
ガチャでの排出時は☆1~3と差はあるが、最大☆5までアップできる仕様になっている。
もちろん、レアリティアップには貴重アイテムが必要なため苦労する。
もともとレアリティが固定されているゲームが多い中、育成できるだけでも良い仕様と言えるだろう。
レアリティをアップさせると、基本性能アップはもちろん新スキルが使えるようになるので、より活躍させることができる。
イマイチな点
オートバトルのAIの使い勝手が良くない
前述した通り、ブルアカのバトルは程よい難易度が特徴だ。
しかし、オートバトルのAIでは気になる点があった。
任務モードなどでは、スキルを手動で使うセミオート以外に「フルオート」も選択できる。
バトルが苦手なプレイヤーは、選択肢になるかもしれない。
しかし、ここが逆に落とし穴になる可能性がある。
少し慣れれば、「ここはスキルを温存して次の群れで使おう」などの判断ができる。
しかしAIは状況の判断が苦手なようだ。
例えばザコが少ししか残っていないのに、コストを多く消費する強力なスキルを使うことも珍しくない。
その他HPが減っているのに、回復スキルをなかなか使ってくれないなど。
見守っていると、思わず「ゲゲーッ!」となるような挙動があるのだ。
しかも、一度ステージを最高評価でクリアすると「スキップ」がある。
そのため、フルオートは存在しているが「ほぼ死んでいる機能」になってしまう。
よほどレベルに余裕がなければ、使いづらいシステムだ。
もう少し、安心して見ていられるAIに仕上げていただきたかった。
キャラレベルの上限の仕様について
ブルアカをある程度プレイすると、とある異変に気付くことになる。
それは、キャラのレベルを上げられなくなることだ。
ブルアカでのキャラレベルの上限は、プレイヤーレベルと同等になっている。
つまり、プレイヤーレベルが30だとすると、キャラもレベル30までしか上げられないのだ。
であれば、さっさとプレイヤーレベルを上げればいいじゃん。となる。
しかし、そう簡単には上がってくれないのだ。
いわゆる石を大量に割って、スタミナに変えればすぐに上がるだろう。
だがレベル上げのために、ガンガン石を割るかと問われると、微妙だろう。
石は、できるだけガチャを回す方で使いたいものだ。
そのため任務モードで、先のステージを攻略したくても、レベルが足りずに足踏み状態。
という状況に陥ってしまうのだ。
これは、ゲームの仕様に頭を押さえつけられている感覚がある。
ストーリーモードでの快適さに比べると、差を付けてきたなぁ。
と言わざるを得ないだろう。
フルボイスではない
キャラゲーであれば、キャラの魅力を引き出すための仕掛けが重要だ。
推しキャラを楽しむ仕掛けについては、前述させていただいた。
ビジュアル面が重要なのは当然だが、ボイスの有無も重要度は高い。
ブルアカのオープニングでは、期待感が高まった。
理由は多くのキャラが、よくしゃべっていたからだ。
ブルアカってフルボイスのゲームなのかな?と思えるぐらいだ。
しかし、その淡い期待は消え去ることになる。
試しにメインストーリーを始めると、テキストのみになってしまったのだ。
期待していた分、落胆も大きかった。
一言いいたい!
「イマイチな点」の中から、特に筆者が気になった点について一言いっておきたいコーナー。
今回は「フルボイスを期待させたオープニングからの落差が、ユーザーを失望させる」だ。
ブルアカは間違いなくキャラゲーだろう。
個性豊かなキャラが魅力的なゲームだ。
グラフィックでは、ツボを押さえたLive2Dや、バトル開始やリザルト画面のデフォルメキャラの出来栄えも好印象だ。
そして、ボイスについてもオープニングで期待感があった。
しかしその後のストーリーで、ズッコケてしまったのだ。
ほぼテキストを読むだけとなり、頻度高めの選択肢でタップを強制させられる・・・
そして、たびたびボイスの代わりに効果音が虚しく響く・・・
せっかくオープニングで頑張ったのだから、せめてメインストーリーぐらいはボイス有りにしていただきたかった。
バトルがセミオート仕様なので、もっとキャラを魅力的にさせるボイスに力を入れても良かったのではないか。
まとめ
総合評価 85点(100点満点)
1年以内にサービス終了する可能性 10%
ソシャゲは「引き算のゲーム設計」が必要と言っても過言ではない。
できることが限られる中で、何を大事に作っていくのかが問われるのだ。
その点ブルアカは、背伸びしすぎず、できることを計画的にやり切ったと言える。
まさに企画段階で、ある程度の結果が予測できる状況を作ったのであろう。
ブルアカをプレイしての第一印象は「世界観」だ。
すぐにキャラゲーと分かる設定や、パステルカラーのグラフィック。
そして、学園モノなのに生徒たちが銃器を手に撃ちまくる・・・
ただ残酷なシーンはなく、ライトなバトルで「女子高生がサバゲーをしている」感覚なのだ。
戦っているのにライトな感覚。そしてキャラが個性的。
この世界観とイメージがユーザーに「ウケて」いるのだと思う。
そして、ブルアカがヒットしたであろう要因がもう1つある。
それは、課金勢と無/微課金勢が共存できるゲーム設計だ。
ソシャゲは「集金マシン」と言われても、おかしくない。
とにかく目先の利益を目標に、ガチャを回させるのが目標になる。
ある程度ガチャを回さないと、コンテンツもロクに楽しめない。
そのようなタイトルが少なくない中、ブルアカは一線を画している。
無/微課金勢でも、自分のペースでゲームを楽しめるよう、デザインされているのだ。
前述した通り、メインストーリーは育成不要でメンバーは固定なため、お手軽だ。
攻略ステージも、属性やロケーションを考慮して編成すれば、苦戦しずらい設計。
このように、無/微課金勢を脱落させない工夫が見られるのは、大きく評価したい。
しかしそれだけでは、ビジネスとしては成り立たない。
ガチ勢には、それなりに活躍する場が用意されていないと、売上は伸びにくい。
その点ブルアカでは、総力戦と言われる他プレイヤーと、スコアで競えるコンテンツが存在する。
定期的に対象のボスが変更になるため、ガチ勢は常に最高の編成を組むために課金する。
そしてハイスコアを叩き出して満足する。という流れができている。
課金勢と無/微課金勢が共存できる仕組みは、言うほどカンタンではない。
それを実現しているからこそ、ブルアカは多くのユーザーに受け入れられているのだろう。
今回のレビューは以上である。
良質なゲームアプリとの出会いの参考になれば幸いだ。
この記事で使用している画像は、NEXON Games / 株式会社Yostarに帰属しています。
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