という方におすすめの記事です。
この記事を読むと以下の点が確認できます。
CFDの歴史をわかりやすく解説
日経225、NYダウ、金、原油・・・
FXの経験者であれば一度は聞いたことがある「CFD」・・・
近年、外国為替以外の様々な対象に投資できるCFDが注目されています。
この記事ではCFDが、いつ、どこではじまったのか探っていきます。
最初に結論からお伝えします。
CFDの原型は「バケットショップ」
まずは、CFDの原型と言われている取引から確認していきます。
はじまりの舞台は1870年代のアメリカ・・・
当時、現物の株式取引をするためには大きな元手が必要でした。
しかし、「バケットショップ」と呼ばれる取引所では、庶民が小遣いを投じて「真似事」ができたことから注目を集めました。
出所:ウェキペディアより
・そもそも「バケットショップ」とは?
1958年のニューヨークタイムズによると、以下のように解説されています。
バケットショップは「証券または商品の現在の為替価格に基づいて注文またはオプションの形式で賭けを行うための施設を備えたオフィスですが、実際の売買はありません」。
つまりバケットショップは、人々がギャンブルに行く場所であると考えられます。
上記のことから、当時は言葉としては存在しませんが、実質「CFD」と言えます。
・実際の売買がない=「差金決済取引の先駆け」ということになります。
バケットショップの問題点
バケットショップでは、庶民が小遣い程度のお金で、大金を稼ぐチャンスがありました。
しかし客が勝った場合、支払いを拒否されることも珍しくありませんでした。
何故ならバケットショップは公的な市場ではなく、「私設の賭場」だったからです。
バケットショップの多くは、マフィアが運営に関わっていました。
当然、運営する目的は儲けるためですから、庶民から金を巻き上げたいわけです。
つまり、「客が負けることを前提に運営していた」といっても過言ではありません。
その中で、客が調子よく勝ち続けると面白くありません。
そうなると、店側は暴力にものを言わせて理不尽に支払い拒否をしました。
多くの客が悔しい思いをする中、「度胸としたたかさ」を兼ね備えた、ほんの一握りが成功を勝ち取れるような世界だったのです。
バケットショップの終焉
その後、バケットショップは1900年代初頭の株式市場暴落の主な原因に挙げられ、違法扱いにされてしまいます。
それでもバケットショップは活動を続けていました。
しかし、ついに1922年にニューヨーク議会は、バケットショップを禁止するマーティン法を通過させ、バケットショップは短い歴史に幕を閉じたのです。
※実際には、1920年代の前までに多くのバケットショップが摘発され、事実上排除されていました。
このようにバケットショップは、取引の特徴はCFDの原型と言えますが、取引する環境は大きく異なり、いわゆる「アンダーグラウンド」なものだったのです。
CFDはイギリスで誕生
アメリカでバケットショップが終焉してから、相当な期間が経過しました。
そして舞台は、世界経済中枢の一角を担うイギリスに移り、1990年代のイギリスでCFDが誕生します。
誕生した当時のCFDは、主に機関投資家向けであり、一般的ではありませんでした。
CFDが普及した理由は、「印紙税」が不要なことが影響していると言われています。
機関投資家にとって、印紙税が不要であることは取引コストが低く抑えられ、メリットが大きかったことから利用が広まりました。
CFDはインターネットの普及と共に世界へ
ちょうどCFDの誕生は、インターネットの普及と時代が重なっていました。
インターネットが急速に普及すると、個人投資家にもCFDが浸透していきました。
バケットショップの時代と明らかに違うのは「ネット」の有無です。
アメリカでは1997年よりCFDのサービスが開始されています。
その後CFDは、世界各国に瞬く間に広がり、知名度の高い金融商品の地位を確立しました。
そして、日本にもCFDの上陸は近づいていました。
日本にもCFDが上陸(店頭取引)
世界に広がりを見せていたCFDが、いよいよ日本に上陸します。
日本で「CFD」として初めてサービスを開始したのは「ひまわり証券」でした。
店頭CFDとして、2005年11月よりサービスを開始しました。
しかし、2018年10月より「くりっく株365」のサービスを開始しています。
その後、2008年頃から日本でもCFDの取扱い業者が増加しています。
人気のGMOクリック証券では、2010年4月よりCFDのサービスを開始しています。
業界から圧力を受けた金の証拠金取引!?
実は、ひまわり証券より早く証拠金取引をはじめた業者がありました。
名目はCFDではなく、「NetGold(貴金属保証金取引)」というサービスです。
ネット証券大手の松井証券が、2002年6月に当時では先進的なサービスを開始していたのです。
しかし、時代が追いついていなかったのか、国内商品先物取引業界からのクレームや圧力がかかってしまい、2004年1月末日を持ってサービス休止となってしまいました。
まさに、「出る杭は打たれる」結果となってしまったのです。
くりっく株365が誕生(取引所取引)
日本でもCFDの普及が進む中、東京金融取引所が動きました。
東京金融取引所は、「くりっく株365」のサービスを開始すると、2008年12月に発表します。
その後、金融庁から取引所株価指数証拠金取引の上場認可を取得する等の準備を進めます。
そして、2010年11月に「くりっく株365」のサービスが正式に開始されました。
開始当初は、「日経225」「イギリスFTSE」「ドイツDAX」の3銘柄でのスタートでした。
その後、2016年6月に「NYダウ」が追加されます。
これまで株価指数のみ取扱ってきた「くりっく株365」。
しかし、2020年9月から「金」と「原油」が追加される予定です。
さらに利便性が高まるCFDから目が離せません!
くりっく株365の今後について
さいごに、くりっく株365について将来が期待できる記事があったので、チェックしておきたいと思います。
東京金融取引所、代表取締役社長:木下氏へのインタビューより一部抜粋Q:新商品上場の予定はありますか?
A:金や原油の取扱い準備に加え、その他にも差金決済となる商品であれば、取扱いの対象として幅広く検討していきます。
Q:仮想通貨も無視できない存在になってきています。
A:検討の余地はありますが、まだ創世期にあるという印象です。
大切なのは、投資ニーズがあるものを分け隔てなく取り込んでいくこと。
そして、安心して取引できるセーフハーバーであることです。
とても興味深いインタビューでした。
間違いなく今後は「取扱い銘柄は増える傾向」にあると思います。
特に「投資ニーズがあるものを分け隔てなく取り込んでいく」ということは、将来仮想通貨がくりっく株365で取引できる可能性があるってことですよね!
取引所の社長からの言葉ですし、期待は膨らんでしまいます。
現状、「仮想通貨FX」等の名称で、店頭取引では既に実装されていますので、たしかにありえる話かもしれません。
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