という方におすすめの記事です。
この記事を読むと以下の点が確認できます。
先物取引の基礎を押さえてCFDで結果を出そう!
CFDの原油を取引しようとしたら、原資産「WTI先物」って書いてあった・・・
WTIは聞いたことがあるけど、「先物」ってなんだろう・・・
分からないままCFDをするのは不安なので確認しておきたいな。
という方向けに先物取引についてまとめています。
最初に今回の記事のポイントをまとめておきます。
それでは順番に確認していきましょう!
そもそも先物取引とは?
大きな枠組みの中で言いますと、先物取引とは金融派生商品(デリバティブ)と呼ばれる取引の一種です。
先物取引は、価格や数値が変動する各種有価証券(債券や株式など)、商品(金や原油など)、指数(日経225やNYダウなど)について、未来に取引する価格を約束することを言います。
ここで言う未来というのは、取引する銘柄によって期間や取引量(単位)が異なるため、取引前に十分確認する必要があります。
※例えば日経225先物の場合は、「日経225先物3月限(※末尾はサンガツギリ)」などと呼ばれています。
取引する銘柄は、それぞれ期限が定められているため、期限(満期日)までに決済することが求められます。(決済しない場合は、強制的に決済されます。)
なぜ先物取引が存在するのか
先物取引は、短期間の値動きの中で利益を狙う「投機」のためだけに存在する訳ではありません。
なぜ「未来の価格」を約束するような取引が必要なのでしょうか。
それは、昔から経済を安定的に動かすために必要だったからです。
具体例を挙げますと、私たちがスーパーなどに買い物に行ったときに、パスタの値段が頻繁に上下したら困りますよね?
実は、私たちが知らないところで様々なモノの値段が安定的に供給されることに「先物取引」が大いに役に立っているのです。
パスタは主に小麦から生産されますので、「小麦」を例に実体経済の流れを確認してみましょう。
【小麦生産者の先物取引を利用したリスクヘッジ】
・小麦生産者の心理:生産して市場に流通するまでに価格が下がったら困るなぁ。
⇒事前に商品先物市場で1年後の小麦を売っておこう。
①その後、小麦が値上がりした場合
⇒出荷する小麦が値上がりし、先物取引ではマイナスの結果。
つまり、出荷分のプラスと先物取引のマイナスで相殺できます。
②その後、小麦が値下がりした場合
⇒出荷する小麦が値下がりし、先物取引ではプラスの結果。
つまり、出荷分のマイナスと先物取引のプラスで相殺できます。
このように先物取引を利用すれば、小麦生産者は価格の上下に左右されず安定的に生産を続けられるというメリットがあります。
かなりザックリですが、「先物取引の存在意義」について感じをつかめていただけたら幸いです。
先物取引の目的や機能
続きまして、先物取引の主な目的や機能について整理しておきましょう。
【リスクヘッジ】
主に生産者や販売・流通業者などが該当し、先物取引を利用します。
生産してから店頭で消費者に流通するまでに、多くの場合は長い期間を要します。
生産後、海外から大量の物資を載せた貨物船が入港し、国内の細部にまで商品を行き渡らせるのは大変だよね。ということです。
その間に商品の値が動くと、実体経済の各関係者は不安定な状況になってしまいます。
そのため先物取引を利用することが、期間を問わず安定した価格で商品を提供することに貢献しているのです。
【投資(投機)】
単純に「お金を儲けたい」人が該当し、先物取引を利用します。
常に情報収集を怠らずに世界経済の流れを把握して、「どの市場にお金が流れているのか」を注視しています。
特定の商品の値動きが見受けられる場合は、素早く動いて短期間の値動きによる利益獲得を狙います。
これは、個人投資家はもちろんですが、世界中から大量のマネーを集めた「ヘッジファンド」も含まれます。
【価格調整機能】
実体経済に関わる人たちにとって、とても重要です。
商品の生産者はいつ、どのぐらい生産するのかを検討します。
その参考となる指標が、商品先物市場の価格です。
「この価格なら、このぐらい生産すれば・・・」という具合です。
そのため、価格は非常に重要です。
この価格は、いわゆる「需要」と「供給」の力関係によって成り立っています。
そのため、現時点での需要側と供給側の結果がストレートに「価格」となって表されています。
まさに、起きていることは正しい。ということになりますね。
但し、たびたび投機的な動きによって値動きが荒くなるため要注意です。
CFDの調整金は先物のルールが影響してる?
さいごになりますが、CFDの取引で先物取引のルールが影響する部分について触れておきたいと思います。
CFDの銘柄名の近辺には「原資産」という表記があります。
この原資産というのは、CFDの銘柄が「どの指標を基準」に値動きするのかを示すものとなります。
実際に先物取引のルールがCFDで色濃く影響されるのは「調整金」になると思います。
具体的には店頭CFDの「GMOクリック証券」で確認してみましょう。
例えば「原油」の取引画面を表示しますと・・・
価格調整額という枠内に「発生日」や「次回発生日」という表記があります。
これが、いつ調整金が発生するのかを表しています。
原油の場合は、原則「月に1回」です。
※実際の取引画面の抜粋
次回発生日:2020/07/14
発生日: 2020/6/15
売 321円
買 -321円
のような表記になっています。
上記を例にしますと、6/15に発生した調整金は売ポジション1つにつき「プラス321円」で、買ポジション1つにつき「マイナス321円」です。
次回の調整金は7/14に予定しています。
7/14の調整額は6/15の時とは異なります。
ここで、先物取引が関わってきます。
この6月とか7月とかというのが、いわゆる「原油先物6月物」とか「原油先物7月物」ということになるんです。
直近の期限が決まっている原油先物銘柄が終わると、次の月の銘柄との「価格差」が調整金として清算される仕組みになっています。
純粋に先物取引をしていれば、6月物を持っていて期限が来たら強制的に決済されてしまいます。
しかし、CFDであれば自動的に限月をまたいで次の銘柄に乗り換えてくれるのです。
※限月:取引期限のこと。
そして、毎月乗り換えるときの調整額は次の月との価格差なので、その時の相場の荒れ具合によって変わってきます。
ボラティリティが大きい⇒調整額も大きくなる
ボラティリティが小さい⇒調整額が小さくなる
※ボラティリティ:価格変動幅の大きさのこと。
という傾向にありますので参考にして下さい。
※調整額が気になる方は、実際に商品先物のレートをチェックして下さい。
直近の銘柄と次の期間の銘柄の価格差が、概ね調整額と見て間違いないはずです。
又、原油は毎月価格調整しますが、別途例えば「日経225先物」では3か月に1回のペースになります。
気になった銘柄がどの程度の期間で調整額が発生するのか確認しておくことをおすすめします。
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