CFDと原資産の価格は何故ずれるのか?

CFD全般
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CFDと原資産の価格は完全に一致してるのかな?

という方におすすめの記事です。

この記事を読むと以下の点が確認できます。

CFDと原資産の関りについて整理できます

CFDと原資産の価格は何故ずれるのか?


日経225は15:00で取引が終了されるはず・・・

なのになぜ、CFDの日経225は夜間も継続して取引できるんだろう・・・

原資産について整理しておきたいな。

という方向けにCFDと原資産の関係性についてまとめています。

最初に今回の記事のポイントとまとめておきます。

・金融商品はデリバティブによって発展している。
・日経225が夜間も取引できるのは海外の取引所のおかげ。
・事前に「価格調整金」を確認するには先物市場をチェック!

それでは順番に確認していきましょう!

CFDは金融商品の発展により成り立っている

今回の記事は、CFDの土台となっている原資産について解説しています。

さらに原資産と先物取引の関係性についても整理していきたいと思います。

CFDの取引経験のある方なら、「現物市場とCFDの価格が微妙に違うな・・・」と感じたことがあるかもしれません。

その感覚は、実は正しいのです。

CFDは原資産に基づいて価格が連動していますが、完全に一致していない可能性があります。

その点について整理するきっかけにしていただければ幸いです。

CFDは現物市場しかなかった時代に比べると、圧倒的に金融の世界は発展しています。

特に、現物市場を元にデリバティブ(金融派生商品)と呼ばれる金融商品が生まれ、現代には無くてはならない存在になっています。

CFDはもちろん、先物取引もデリバティブの一種です。

CFDが取引できるのは、現物市場が存在し、金融業界が発展してきた結果だと言えるのです。

現物市場と先物市場

現物市場は日経225に例えますと、JPXグループの東京証券取引所で扱われている個々の株式の銘柄を指します。

そのため現物市場(東京証券取引所)では、日経225という金融商品そのものは存在しません。

現物市場の、いわゆる東証1部に上場する企業のうち、日本を代表する225銘柄を指数として構成されたものが「日経225」として、世界から注目される金融商品として認知されています。

現物市場では、1社ずつ、1銘柄ずつの個別取引しかできなかったワケですが、デリバティブの発展によって日経225という別の金融商品が生み出されたことになります。

ちなみに日本で日経225を取扱っているのは大阪取引所です。

現在の大阪取引所は、「デリバティブ」に特化した取引所として機能しています。

日経225はもちろん、TOPIX先物や、東証マザーズ指数先物など取扱銘柄はバラエティに富んでいます。

くりっく株365の場合

続いてCFDを取引する際に、影響する部分について触れておきたいと思います。

くりっく株365の原資産には、例えば「日経225」など「先物」の表記はありません。

あくまで「日経225に連動した価格提示をしていますよ。」とアナウンスしています。

恐らくその理由は「配当」のところを分かりやすくするためだと筆者は考えています。

実は、原資産を「日経225先物」にしてしまうと「配当」は先物価格に含まれてしまうので、くりっく株365としては、大きな看板(メリット)を失うことになってしまうのです。
※公式では「配当がもらえますよ」とアナウンスしています。

ただ、くりっく株365の取引可能時間はめちゃめちゃ長いです。

ほぼ丸1日、公式アナウンスでも「ほぼ24時間」と表記しています。

でも、日経225(正確には東京証券市場)の稼働時間は15:00で終了です。

15:00以降はどうやって価格を連動させているのでしょうか。

東京金融取引所(くりっく株365)の公式を調べると、関係する表記が見受けられます。

SGX、CMEの存在です。

SGXは「シンガポール取引所」の略です。
アジアで存在感を放つ国際的な取引所となります。
このSGXでは、幅広い取扱銘柄の中に「日経225先物」があります。

又、CMEは「シカゴ・マーカンタイル取引所」の略です。
CMEという、巨大グループの取引所になります。
このCMEでも、取扱銘柄の中に「日経225先物」があります。

整理しておきたいのは、現物取引は日本の東京証券取引所で15:00まで。

世界のシンガポールやアメリカシカゴの大きなマーケットでは、ほぼ24時間「日経225先物」の取引が可能。

ということは、くりっく株365としては、日中は純粋に日経225と連動するから配当が入りますよ。

ただ、現物市場が開いていない時間帯の価格変動は世界のデリバティブ市場の「日経225先物」の価格を参考にしていますよ。

ということになると思います。

原則的には日経225に準じた価格変動ですが、一部の時間帯で先物の数値も参考にしているため、現物市場とは、若干の誤差が出る可能性は考えられます。

店頭取引(GMOクリック証券)の場合

今度は、店頭取引でシェアNo1のGMOクリック証券を例に確認しておきましょう。

GMOの日経225の原資産には、「日経225先物」とハッキリ表記されています。

そうです。間違いなく先物市場と連動した指数になっています。

しかも、原資産の取扱取引所には先ほどと同様に「SGX・CME」との表記です。

似ているようで、似ていないような・・・

考えるとムズムズしてきますが、厳密に原資産の扱いは違うようです。

前述しましたが、日経225先物には「配当」は、ありません。

元々、日経225先物の価格には、配当が含まれて(反映されて)いるのです。

そのため、GMOの場合は日経225を保有して3か月に1回発生する「価格調整金」は「配当ではありません」のでご注意下さい。

事前に価格調整金を確認する方法

ここからは、豆知識的なところに触れておきたいと思います。

対象になるのは原資産が「先物」の場合に限ります。
※GMOクリック証券などが該当します。

GMOなど店頭CFDを利用経験のある方は、

「価格調整額がマイナスになるポジションを持っている」

「どのぐらいマイナスになるのか事前に確認する方法はないのかな?」

と感じたことはないでしょうか。

筆者は大いにありました。

そのため、先物取引について調べていると、「限月」というものがあることを知ります。

その限月が変わると別の限月(銘柄)に切り替わることも知りました。

ただ、GMOの公式には「価格調整金」の予想や事前の表記はありません。

しかし、モヤモヤする必要はありません。

純粋に先物取引の情報を仕入れて確認すれば、かなりの精度で価格調整金を予測することができるのです。

方法は、結構単純です。
出所:日本取引所グループの大阪取引所、※2020年6月29日夜間時点のもの。

日経225の原資産である「日経225先物」の情報を確認すればよかったのです。

一覧には銘柄が3つ(9月、12月、3月)並んでいます。

その右側の「現在値」はいわゆる「価格」です。

価格調整額は、期近(きじか)の9月と、次の12月の価格差を確認します。

22,170円と22,020円の価格差は・・・150円です。

しかし、ここで注意点があります。

150円がそのまま価格調整額とはなりません。

GMOの取引画面などには、日経225の取引単位は「10」になっています。

つまり、先ほどの「150円の10倍」ということになります。

よって、仮に上記一覧の価格で調整が発生したとすると、価格調整額は1ポジション当り「1,500円」となるのです。

ちなみに先物取引の場合は、期近(きじか)の銘柄がメインに取引されるため取引量が多いです。

一覧の右側にある取引高を見ると、9月限が多いですよね。

これらの計算は、完全に一致するかは保証できませんが、実質これらの数字を参考に計算しているので、かなりの精度で価格調整額を予想できると思います。

又、対象銘柄が「原油」の場合も、原油7月限、原油8月限などのデータを参照し、価格差を出せばOKです。(原油は毎月限月があります。)

対象銘柄によって、原資産の限月の間隔は異なります。
事前に確認しておきましょう。
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