今回は、一切の忖度なしでゲームアプリ「原神」のレビューをさせていただいた。
原神のレビュー・評価
・ソロでコツコツしたプレイが好きなプレイヤーに向いている。
・しかし、ソシャゲとオープンワールドは「ミスマッチ」である。
ゲーム概要
ゲームタイトル:原神
開発/運営:miHoYo / COGNOSPHERE
ジャンル:アクションRPG
対応OS:iOS / Android / PS4 / PS5 / PC
配信開始:2020年9月28日
画面:ヨコ型
プレイ時間:約20時間
プレイ時期:2023年4月~5月
広大なオープンワールドを、自由に冒険できるのが特徴のRPG。
炎や水など7種類の元素を、状況に応じて使い分ける戦いが求められる。
各キャラは、あらかじめ定められた、1種類の元素を操ることができる。
ゲームの特徴
ストーリーは、生き別れた兄妹との再会を目指す旅をする物語。
ゲーム開始時に主人公の性別を選択するのだが、選択しなかった方が、何者かによって囚われてしまう設定だ。
主人公は、テイワットと呼ばれる世界で冒険をする。
基本の流れは以下の通り。
まずはキャラを編成する。
基本ソロゲーだが、キャラを4人まで編成できる。
様々なギミックやエネミーに対応できるよう、バランス良く組むのがポイント。
編成した4人は、基本好きなタイミングで、瞬時にチェンジできる。
編成したら、メインストーリーを進めていく。
バトルでは、元素と呼ばれる属性を意識して戦うと有利になる。
※木の盾を持ったエネミーは炎で攻撃して、盾を燃やすなど。
ストーリーを進めるには「冒険ランク」を上げる必要がある。
※冒険レベルは、キャラレベルとは別で、ゲームのやり込み具合の目安となるもの。
各地でクエストを消化したり、フィールドの宝箱を開けるなどで、冒険ランクを上げる。
そしてストーリーが進むと、新しく活動できる地域が増えていく。
冒険ランク上げに疲れたら、のんびりマップの探索度を上げるのもアリだ。
ある程度冒険が進むと、各種育成素材が貯まってくる。
育成素材は貴重なので、推しキャラを絞って集中的に上げるのが良いだろう。
課金要素
ガチャ10連は約3,000円。(※初回ボーナスを考慮に入れず)
最高レアリティの☆5キャラの排出率は0.6%となる。
※ガチャの天井は90連となっており、90回ガチャすると約27,000円だ。
ガチャの他には、いわゆる月パスや、アバターなどがある。
評価できる点
オープンワールドを冒険できる
ソシャゲでオープンワールドをプレイできるタイトルは、それほど多くない。
そのため、ソシャゲで自由に動き回れること自体が「新鮮な体験」と言える。
崖を登ったり、空を滑空したり、川を泳ぐこともできる。
これらは、普段ソシャゲしかプレイしないプレイヤーにとっては、魅力的に映るだろう。
高低差もしっかり表現されているので、各所を探索する楽しみを味わえる。
また、マップ各所にはギミックがあり、クリアすると宝箱が獲得できるなどの仕掛けが用意されている。
ソロのコンテンツが豊富
原神は、ほぼ「ソロゲー」だ。
その分、ソロでのコンテンツが豊富に用意されている。
いわゆるやり込み要素が多いのだ。
例えばマップを開くと、探索度という数字を確認できる。
この数字は、フィールドのギミックをクリアしたり、ワープポイントを有効にするなどの行動で上がる。
とにかく、マップを舐めるように探索すると、思わぬところで宝箱を発見することも珍しくない。
マイペースでコツコツプレイするのが好きな方は、十分楽しめる要素と言えるだろう。
メインストーリーは、ほぼフルボイス
アニメ好きにとっては、嬉しいポイントだ。
メインストーリーを進めると、各キャラがほぼフルボイスで、よく喋ってくれる。
しかも、CVは人気声優の皆さまがズラリと並んでいる。
アニメファンであれば、声を聞けば分かるレベルの方々だ。
その、豪華声優陣が織りなすストーリーを、見ているだけでも満足度は高い。
推しの声優がいれば、そのキャラ目当てでやってみるのもアリかもしれない。
イマイチな点
やらされてる感が強い
前述した通り、ストーリーを進めるには「冒険ランク上げ」が必須となる。
ストーリーを進めたくても「ランクを○○以上まで上げてね」と表記され、ストップするのだ。
そのため、先のストーリーを見たいプレイヤーにとっては「おあずけ」を食らった状態となる。
本来楽しんでもらいたいはずの冒険(ランク上げ)が、「無理やり、やらされている」と感じるプレイヤーも少なくないかもしれない。
しかも、このランク上げが結構クセモノだ。
細々としたことを、数多く消化しないと上がってくれない。
場合によって「苦行」と感じるユーザーは、これが原因で離脱してしまうかもしれない。
ソシャゲでオープンワールドにした弊害
オープンワールドは自由な分、やれることも多い。
しかし、ソシャゲは制約が多く、やれることが少ない。
つまり、ソシャゲとオープンワールトは「相性が悪い」のだ。
例えば筆者の場合、最初はタブレットでプレイしていた。
しかし、操作性が極めて悪いことに気付く。
左手でキャラを操作し、右手でカメラワークとスキルを使用することになる。
これは、短時間のプレイでも、ストレスがマッハで溜まるので断念。
PCに切り替えてみた。
すると、PCでの標準的な操作に対応していたため、操作性は改善された。
ただ、PCに切り替えるということは、ライバルは「PC用の名作RPG」になる。
これは、さすがに原神には分が悪いだろう。
さらにPCでプレイすると、以下のような「弊害」が目立ってしまった。
・キャラクターなどの作り込みの甘さ
表情のバリエーションが乏しい(特に主人公)
※隣でパイモンが喋っていても、主人公は真顔でマネキンのようだ。
ロングヘアーのキャラの髪の動きが不自然
キャラを移動させると、髪が塊でゴワゴワと動くのを見ると違和感がある。
開発中と思えるようなグラフィック
フィールドでオブジェクトに登ってみると、宙に浮いているように見える。
ジャンプやスキルなどは使ってないのに、明らかに不自然だ。
などなど・・・挙げ始めるとキリがない状態だ。
背景でも気になるところはあった。
何気ない草原だが、整いすぎていて気持ち悪い。
まるで「人工芝のカーペット」を敷き詰めたように見える。
「クリエイターの魂は細部に宿る」とはよく聞く話だ。
「箱庭」のような世界ではなく、実体験していると錯覚するような、こだわった作り込みをして欲しかった。
・バトルシステムが貧弱
ソシャゲであれば、仕方ないで済まされる。かもしれない。
しかし、PCでプレイすると明らかに「物足りなさ」を感じるのだ。
特にスキルが1つしか使えないのは、厳しいとしか言いようが無い。
お世辞を言えば、通常スキル1つ+ゲージが溜まった後の元素爆発(必殺技)1つで計2つだ。
PC向け他タイトルでは、スキルが5個や10個使えて「当たり前」の世界である。
グラフィックやアクション性でも、全く勝負にならないだろう。
このように、携帯端末では「操作性が悪くてプレイ困難」。
PCでは「他タイトルとまともに勝負できない完成度」という状況だ。
どちらにしても「中途半端」なのだ。
つまり、「原神をする必要があるのか問題」になってしまう。
何処に原神をプレイする魅力があるのかを、冷静に検討する必要があるのかもしれない。
「本来PCやコンシューマーで勝負する内容」なのに、「ガチャで稼いでやろう」という邪な思いがゲームの完成度を低下させているのは間違いない。
パクリ疑惑
開発元が認めている通り、原神は「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」を参考にしている。
ゼルダの伝説以外にも、多くの作品を参考にしていることは明らかになっている。
※グランド・セフト・オートや新世紀エヴェンゲリオンなど。
参考にすること自体は、否定の対象にはならない。
しかし、一般プレイヤーが「すぐにパクリと分かるような仕上がり」にするのはいかがなものだろうか。
まさに、どこを切っても同じ顔に見える「金太郎飴のようなゲーム」と言われてもしょうがないだろう。
もっと、オリジナリティを持って、真摯な気持ちでゲーム開発をしていただきたかった。
一言いいたい!
「イマイチな点」の中から、特に筆者が気になった点について一言いっておきたいコーナー。
今回は、「倫理的な問題が、ユーザーの信頼を失墜させる」だ。
実は、パクリ疑惑はゼルダの伝説だけではない。
筆者が一番気になっているのは「幻想神域 -Another Fate-」との酷似である。
幻想神域は、2013年11月にサービス開始された、PC向けのMMORPGである。
※記事作成時点では、サービス継続中。念のためにリンクを貼っておこう。
幻想神域と酷似していると言える理由は、筆者が元々幻想神域をやり込んでいたプレイヤーだったからだ。(約4年間ほどガチでプレイしていた。)
CMで、初めて原神の画面を見た瞬間に「アッ!」と思ったことは、今でも覚えている。
あえて批判を恐れず正直に言うと、「原神は、幻想神域のゲーム性を丸ごとパクっている」と言っても過言ではない。
疑問があれば、実際に幻想神域をプレイしていただきたい。
きっと「なるほど!これが原神の原型となるゲームか~。」となっていただけるハズだ。
原神は「キャラゲー」だが、幻想神域もある種の「キャラゲー」と言える。
幻想神域のウリの1つが「幻神」と言われるキャラクターと冒険できる点にある。
幻想神域の公式には幻神の紹介ページもあるので、興味があれば覗いてみて欲しい。
また、幻想神域を参考にしたであろう、裏付けの1つとなるのが「製作期間」だ。
原神は、2017年ごろから約3年かけて製作されたと言われている。
幻想神域は2013年11月からサービスを開始している。
そして原神の製作開始頃は、幻想神域が賑わっていた時期と重なっている。
つまり、幻想神域をベースとして作ったと仮定すると・・・
通常、全くの無の状態からオープンワールドのゲームを作るのは困難・・・
しかし、幻想神域をベースに改良、取捨選択をすれば3年でも十分に可能。
そう思えて仕方がないのだ。
元、幻想神域ユーザーからすると、残念なことである。
以上のことからゲーム性が酷似しているため、原神は、幻想神域を模していると言うのが自然だろう。
まとめ
総合評価 79点(100点満点)
1年以内にサービス終了する可能性 10%
原神は世界的にヒットしている。
それは事実だ。
しかしソシャゲなので、サ終まで「終わらない消耗戦」が付きまとう。
ポイントは「新キャラ」と「新マップ」実装の継続にある。
新キャラやコンテンツがないと、ユーザーを繋ぎ止めておくのは困難だ。
前述した通り、原神のガチャ確率は渋い。
0.6%を当てるために多くのユーザーが、ガチャを回す。
もし当たっても、それだけで満足できるユーザーは少ないかもしれない。
理由は、某攻略サイトには「凸を前提としたTire表」があるからだ。
つまり、原神の多くのキャラは、凸をしないと真価が発揮されない仕様になっているのだ。
完凸を目指そうとすると、新キャラのたびに高額な課金が必要だ。
熱狂的なファンがいたとしても、このサイクルにどれだけの人がついてこれるのか。
さらに、毎年のように面白い別ゲーがリリースされれば、消耗戦は熾烈を極める。
また完凸させても、そのキャラを活かせる、エンドコンテンツが充実しているのかという問題もある。
原神は、基本的に広いオープンワールドに「ぼっち」なのだ。
いずれは広大なテイワッドの中で、虚無感を味わうことになってしまうのではないか。
マルチプレイ要素もあるが、敷居が高いことは間違いない。
1人がホスト役となって、他の3人のプレイヤーを招待するような仕様では盛り上がらないだろう。
そもそも、オープンワールドのゲームをソシャゲでリリースしたのがミスマッチなのである。
ゲームの特性が活かせる、PCやコンシューマーにするべきだったのではないか。
開発元は原神で十分な資金を得たはずだ。
今後はオリジナリティ溢れる、ユーザーの「やりがい」や「楽しい」を、より多く感じ取れるゲームを開発してくれることを願っている。
原神は、ソシャゲの中では良質なグラフィックとやり込みコンテンツを有している。
ガチャはほどほどにして、ソロでコツコツプレイするユーザーにとっては良ゲーと言えるのではないか。
今回のレビューは以上である。
良質なゲームアプリとの出会いの参考になれば幸いだ。
この記事で使用している画像は、株式会社miHoYo / 株式会社COGNOSPHEREに帰属しています。
©miHoYO ©COGNOSPHERE