今回は、一切の忖度なしでゲームアプリ「陰の実力者になりたくて!マスターオブガーデン」のレビューをさせていただいた。
陰の実力者になりたくて!マスターオブガーデンのレビュー・評価
・アニメとの連動もあり、ストーリーはアニメ視聴に近い感覚。
・バトルが単調なため、飽きないための工夫が必要。
ゲーム概要
ゲームタイトル:陰の実力者になりたくて!マスターオブガーデン(カゲマス)
開発/運営:株式会社Aiming / Team CARAVAN
ジャンル:3DアニメーションRPG
対応OS:iOS / Android /Windows
配信開始:2022年11月29日
画面:ヨコ型
プレイ時間:約20時間
プレイ時期:2022年12月
原作/アニメIP有りの作品。
属性の優劣により、柔軟なPT編成が求められるオートバトルが特徴。
ゲーム開始時にチュートリアルガチャ10連可能。(最高レアリティ保証無し)
さらに追加でガチャ26連可能。計36連(※開始時期によって異なる可能性有り)
※別途、初心者ミッションクリアで特定の最高レアリティキャラ1体もらえる。
コンテンツ
メインストーリー
原作を追体験するようなメインストーリー。
フルボイスで展開されるストーリーは、アニメ視聴に近い感覚。
ストーリーを視聴した後はバトルが待っている。
バトルの基本は相手に有利な属性の編成をすること。
属性の優劣で勝敗は大きく変わる。(推奨戦力やレアリティより重要)
バトルは原則オート進行。
ただ、スキルや連携コンボの発動は手動でコントロール可能。
ストーリーを進めていくと各コンテンツが開放されていく。
サブストーリー(七陰列伝)
本作目玉の原作者監修の完全オリジナルストーリーが楽しめるコンテンツ。
相当なボリュームがあるが、こちらもすべてフルボイス。
ノーマルモードをクリアするとハードモードにチャレンジできる。
ハードモードでは、キャラ(原則最高レア以外)の育成素材(カケラ)が獲得できる。
資材調達
キャラ育成に必要な基礎的な各素材を獲得できる。
ストーリーが進むと、より上級のステージをプレイできる。
ブシン祭
いわゆる対人コンテンツ。
属性を考慮したPTを編成し、対戦相手を選んで戦う。
バトル中は通常のステージとは異なり、フルオートバトルとなる。
勝利して順位を上げると、順位に応じた専用の「ブシンコイン」を獲得できる。
コインはショップで各種アイテムと交換可能。
総力戦
ブシン際の団体戦の位置付け。
3PTを編成して対戦相手とバトルを行う。
勝ち抜き戦ではなく、3PTが順番に戦う方式となる。
ブシン祭と同じく、結果を残すと「総力戦コイン」を獲得できる。
聖域
いわゆるローグライク的な個人攻略コンテンツ。
止まったマスによってバトルや回復、バフの獲得などのイベントが発生。
最奥の階層まで進み、ボスを倒すをクリアとなる。
クリアすると、ショップでアイテムと交換できる「聖域コイン」を獲得できる。
魔界壊滅戦争(ハルマゲドン)
ギルド単位で参加するコンテンツ。
対戦相手のギルドと討伐スコアを競う。
結果を残すと、ショップでアイテムと交換できる「魔界壊滅戦争コイン」を獲得できる。
イベント
期間限定のオリジナルストーリーや、ステージ攻略が楽しめる。
※オリジナルストーリーはフルボイス。
イベントコインを貯めると、貴重アイテムを含む報酬と交換できる。
システム
課金要素
ガチャ10連:3,500円※おまけ・初回ボーナス無しで計算。
※ガチャ10連:石2,800消費。石1個あたり、1.25円
ガチャから排出されるのは「A」「S」「SS」で最高はSSとなる。
最高レアリティSSの排出確率は3.0%となっている。
その他、各種お得なパック有り。
育成要素
キャラレベルやキャラランクを上げるのは容易。
逆に、魔力覚醒やレアリティアップは難易度高め。
レアリティはA、S、SS、SS+で、レアリティアップが可能。
ただし、レアリティアップには貴重な「カケラ」が必要。
カケラの入手難度は高めなので、コツコツと集めることになる。
キャラレベル:コンテンツ消化でプレイヤーランクが上がるとキャラのレベル上限も上がる。
キャラの育成画面でアイテムを消費してレベルアップ可能。
キャラランク:ステージ周回で獲得した装備でランクアップ可能。
ステータス強化や特技の開放ができる。
魔道具:魔道具と呼ばれるアクセサリーのようなもの。
様々な効果があり、特定のアイテムを使って強化もできる。
魔道具は沼が深い印象(無料のガチャ感覚)。狙って欲しいモノを獲得するのが困難。
交流:任意のキャラと会話を繰り返すとキズナレベルが上がる。
キズナレベルが上がるとステータスや特技が強化される。
魔力覚醒:魔力の核と言われる特殊アイテムを使用してキャラを強化する。
最高レアリティとそれ以外のレアリティでは強化方法が異なる。
魔力覚醒すると、奥義や特技の効果が強化される。
レアリティアップ:カケラと呼ばれる貴重アイテムを使用すると、レアリティを上げることができる。
カケラは各キャラごとに専用となっており、レアリティが高いほどカケラの必要数も増える。
レアリティを上げると、全体的にステータスが強化される。
カケラは、七陰列伝ハードモード攻略やショップで交換できる。
評価できる点
3Dキャラのクオリティが高い
とにかくキャラがよく動く。
そして、ちょっとした仕草などの細かい描写にはこだわりを感じる。
ホーム画面でしばらく放置すると、設定したキャラが主人公に向けて語り始める。
しかもワンパターンではなく、かなりバリエーションも豊富。
ストーリーがフルボイス
原作アニメを見ていても、見ていなくても楽しめる。
数分単位で区切られているため、スキマ時間でも無理なく進められる。
アニメが好きなプレイヤーにとっては、特に満足度が高い仕上がりと言えるだろう。
また、オリジナルストーリーの七陰列伝はもちろん、イベントストーリーもフルボイスである。
これだけの手間とお金をかけて製作されていることには驚きだ。
スキップ機能が助かる
ソシャゲあるあるな機能だ。
しかし、あるとないとでは大きく違う。
ソシャゲが長続きする理由としては「気軽に遊べる」のが大きなポイント。
そこでスキップ機能がないと、面倒になりログインしなくなりやすいのも事実。
また、カゲマスのスキップ機能は、主人公のセリフが中二病っぽくて個人的には好みだ。
※初見でこのセリフを聞くと、クスっと笑ってしまうこと請け合いだ。
イマイチな点
育成の難易度が高め
ストーリーがある程度進むと、属性有利なPT以外で攻略するのは困難となってくる。
そこで問題となるのは、各属性に対応できるPT編成に伴う育成だ。
言うのは簡単だが、いざ頭数を揃えるのは容易では無い。
もし属性ごとのPTが組めるだけの育成ができても「レアリティアップ」や「魔道具の厳選」のことまで考えると気が遠くなる。
バトルシステムが単調
これはソシャゲでは限界があるかもしれない。
しかし、単調で退屈になりやすい。
属性合わせのPT編成、スキルやコンボを発動・・・の繰り返しだ。
スキルを撃つタイミングや連携コンボも自由に撃てるのは良い。
ただ、それ以上のことができないのは歯がゆい限りだ。
事前に攻撃重視なのか回復重視なのか、ある程度の指示ができるようにすれば、さらに幅が広がって面白くなると思うのだが・・・
遥か昔のドラクエⅣでも「ガンガンいこうぜ」とかあったので、きっとできるはず!
キャラのバリエーションが少ない(ガチャ)
これは原作IP有り作品の宿命なのかもしれない。
しかし、ゲームのみリリースしている作品に比べると、明らかにキャラのバリエーションは少ない。
ということは、ガチャのバリエーションや売上に直結してくるところなので、しっかりと対策していく必要がある。
一言いいたい!
「イマイチな点」の中から、特に筆者が気になった点について一言いっておきたいコーナー。
今回は、「ガチャのキャラ使いまわし頻度の高さが命取り」だ。
※イマイチというより、今後の大きな課題として言っておきたい。
原作IPの作品では、登場人物が100人を超えるのは現実的ではないのかもしれない。
しかし、ガチャをそれなりの頻度でリニューアルしないと売上が確保できない。
陰マスは、このジレンマに苦しむことになると予想する。
ただ、工夫次第でなんとかできる可能性はある。
大きく期待できるのは「七陰列伝」だ。
原作とは別のオリジナルストーリーなので、ここに「オリジナルキャラクター」を登場させることも可能だろう。
もっと言ってしまえば七陰列伝を「永遠に終わらせない」ことも可能なはず。
過去にあった話を、いくらでも捏造膨らませることは十分に検討の余地がある。
そして、イベントでも魅力的なオリジナルキャラクターを登場させることも検討できる。
七陰やその他一部のキャラたちを、何度も別バージョンでガチャをしても、ユーザーから飽きられてしまう。
そうならないため、作品を魅力的で有り続けるために、ゲーム独自の積極的なアクションは欠かせないだろう。
まとめ
総合評価 82点(100点満点)
1年以内にサービス終了する可能性 20%
カゲマスは、中二病心をくすぐるユーモア溢れる作品だ。
その原作の雰囲気を、3Dアニメを駆使して高いクオリティで再現している。
アニメが好きなユーザーにとっては満足度が高い作品だろう。
特にお気に入りキャラとの交流やキャラストーリーは、キャラ個人をかなり深掘りしており、ゲームの魅力を引き上げている。(フルボイスなのもポイントが高い)
しかし、ゲーム性を重視するプレイヤーにとっては、少し物足りないかもしれない。
まだゲームがリリースされて間もないため、今後に期待のところはある。
ただ、バトルシステムはまだ改善の余地はあるため「ユーザーのやりがい」のために、工夫をする努力は続けて欲しいと思う。
総じて全体のバランスは一定以上に保たれており、完成度は良好と感じた。
しかし、3Dアニメやイベントストーリーのフルボイス化で多額のコストが心配される。
限られたリソースを何処に傾けていくかの決断も重要だ。
ここは運営の腕の見せどころになってくるだろう。
今回のレビューは以上である。
良質なゲームアプリとの出会いの参考になれば幸いだ。
この記事で使用している画像は、マスターオブガーデン製作委員会に帰属しています。
© 逢沢大介・KADOKAWA刊/シャドウガーデン
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