今回は、一切の忖度なしでゲームアプリ「ガーディアンテイルズ」のレビューをさせていただいた。
ガーディアンテイルズのレビュー・評価
・ガチャが「キャラ」と「武器」の2種類あるため、揃えるのが大変。
・「ドット絵」に親しみを持てるかで印象が大きく変わる。そのため人を選ぶ。
ゲーム概要
ゲームタイトル:ガーディアンテイルズ(ガデテル)
開発/運営:KongStudios / Yostar
ジャンル:アクションRPG
対応OS:iOS / Android
配信開始:2021年10月6日
画面:ヨコ型
プレイ時間:約100時間
プレイ時期:2021年10月~
ドット絵キャラで、手軽にアクションが楽しめるのが特徴。
ステージにより、パズルや謎解きが求められる。
対人要素はオートバトル・手動操作それぞれのコンテンツが存在する。
リセマラでガチャ60回可能。(開始時期によって異なる可能性有り)
ログインすると、浮遊城という名のホーム画面になる。
浮遊城では様々なコンテンツをしたり、獲得したキャラたちを一望できる。
有名な、あの作品とコラボをしたことも!
コンテンツ
メインストーリー
フィールドマップを自由に探索し、モンスターを倒していくのが基本の流れ。
出発前に4人のPTを編成することになる。
探索時は先頭の1人を操作して、残りの3体はオートで動いてくれる仕様。
時にはギミックを利用し、謎解きが求められることも。
一通りクリアすると高難易度の「悪夢」モードなどにチャレンジできる。
サイドストーリー(外伝・短編集)
主に特定の登場人物をフューチャーしたものが多い。
過去に開催されたイベントなどのストーリーはアーカイブされており、いつでもプレイ可能となっている。
育成素材回収ステージ
狭間:各種ステージにて様々な育成素材が獲得できる。
鏡の狭間:特定の属性の敵を倒してアクセサリーの獲得を目指す。
探査工房:能力アップのアイテム(グッズ)の素材を獲得したり、製作ができる。
対人・協力コンテンツ
コロシアム:4ユニットを編成、オートバトルの対人コンテンツ。
アリーナ:3ユニットを編成し、1対1の勝ち抜き形式の対人コンテンツ。
チームデスマッチ:プレイヤー3対3のバトルロイヤルの対人コンテンツ。
協力戦:マッチングされたプレイヤー4人でステージ攻略を目指す協力コンテンツ。
その他のサブコンテンツ
迷宮:バトルや謎解きなど、報酬獲得を目指して次々とステージを攻略していく。
浮遊城の迷宮:通常の迷宮とは異なるステージ攻略が楽しめる。
境界の迷宮:特定の属性キャラでステージ攻略に挑む。
軌道エレベーター:モンスターを倒してひたすら上の階を目指していく。
上層になるほど敵は強敵になっていく。
カマゾンランド:ローグライク的な探索系ステージ。
挑戦した難易度により、獲得できる報酬が異なる。
ステージ上のイベントなどにより、獲得できる戦力アップなどのボーナス(アーティファクト)を駆使して最深部(最上階)のクリアを目指していく。
ギルドレイド:特定のボスをギルドメンバーで協力して倒す。
ボスを倒すとさらに強くなったボスが再出現する仕様。
指定期間内にボスをたくさん倒し、ギルドが上位に入ると多くの報酬がもらえる。
システム
課金要素
ガチャ10連(ガチャ石2,700個消費):約2,700円(※初回ボーナスは考慮に入れず)
最高レアリティSSRの排出率は2.75%(キャラ・武器共に)
ガチャから排出されるのは、R、SR、SSRの3種類。
※ガチャは「キャラ用」と「武器用」が独立している。
その他、ガチャがお得な限定パック、サブスクパック、育成素材、各種コスチューム(アバター)など。
特にスーパーコスチュームのクオリティは高い。
実際は2Dアニメーションで動く。
課金補助アイテム
マイレージ:いわゆる天井システム。ガチャ1回で1枚獲得。
300枚で最高レアリティのキャラか武器と交換可能。
ヒーロークリスタル:キャラがダブった場合に獲得。キャラ育成の超越で使用。
マジックメタル:装備ガチャや装備アイテムの抽出(変換)より獲得。
一定数で各レアリティごとの装備ガチャボックスなどと交換できる。
育成要素
キャラのレベル:ゲーム内アイテムで強化可能。
英雄進化:各キャラごとの欠片を集めて等級を上げていく。
超越:いわゆる凸システム。主にガチャでもらえるヒーロークリスタルで強化する。
覚醒:特定の覚醒素材を使って攻撃や防御などのステータスを強化できる。
装備:武器、アクセサリ、グッズ、カードの4種類
この中で「武器」のウエイトが高い。
ガチャでキャラ専用の武器が手に入らないと能力が発揮できない仕組み。
また、貴重なヒーロークリスタルが必須となる超越も育成難易度が高め。
評価できる点
ストーリーの仕掛けが豊富
単純に敵を倒して進むだけではなく、様々な「仕掛け」がユーザーを楽しませてくれる。
ネタバレのため具体的なことは割愛するが、多くのアニメファンなら思わずニヤリとするようなやり取りが多く見受けられた。
また、アニメだけでなくおじさん世代以降なら「まさか?!」と思うほど古い往年のお笑い界の内容も含まれていることには驚かされた。
しかし、単に昔のパロディを入れるだけではない。
2Dアクションだけだと思っていると、びっくりするような展開がまっていることもある。
例えば・・・何の前触れも無しに、いきなりシューティングゲームが始まったときはびっくりしたが、純粋に楽しませてもらった。
手軽な対人、協力コンテンツ
他プレイヤーとの対人や協力プレイが気軽にできるのも、ガーディアンテイルズのいいところ。
対人は、編成だけ組んでオートバトルさせる「コロシアム」
1対1の個人バトルが楽しめる「アリーナ」
3対3のわちゃわちゃ感が味わえる「チームデスマッチ」
協力も、ランダムマッチングした人とステージ攻略に挑む「協力戦」
ギルドメンバーと共通の敵を倒していく「ギルドレイド」
などなど、「オート」と「マニュアル」それぞれのコンテンツが存在しており、違いが楽しめるのも魅力だ。
カマゾンランド(ローグライク)
最近多くのゲームで見受けられるようになったローグライク。
ガデテルのローグライクは分かりやすく、報酬も魅力的だ。
元々いくつかの難易度が設定されているため初心者は低いランクから始められる。
最後までクリアできたら難易度を上げていく・・・という楽しみ方ができる。
また、カマゾンランドはシーズン制となっており、一定期間内に貯めたポイントで各種育成素材などと交換できる。
これらで強化した編成で次のシーズンはさらに高い難易度を目指す。
そんな流れができやすく、よく工夫されていると感じた。
もちろん高い難易度をクリアすればそれだけ多くの報酬がもらえる。
イマイチな点
武器ガチャの存在
売上を確保しなければいけない。それは分かる。
しかし、武器のガチャは・・・正直、厳しいと感じた。
通常、最高レアリティのキャラが当たると「やったー!」となる。
しかしガデテルの場合、次の瞬間「専用武器も当てなきゃならんのか・・・」となる。
せっかく当たった嬉しさが、変なプレッシャーに潰されてしまうのだ。
しかも、個人差はあると思うが明らかに武器ガチャの方が確率が渋く感じる。
キャラは最高レアリティがポンポン出るが、武器がでない。
「キャラの性能を発揮したくば、天井までガチャ引いてマイレージで武器を交換せよ!」と運営からお達しを受けているようだ。
もっとユーザーから理解が得られやすい選択肢を検討して欲しかった。
サブコンテンツが煩雑
前述したが、「迷宮」や「狭間」にはいくつか種類がある。
しかも入り口は別の画面からとなり、正直何が何処にあるのか分からなくなることも珍しくない。
正直、つぎはぎのように細切れにコンテンツを増やしてユーザーの混乱を招いているのではないか?
コンテンツは多ければいいというものではなく、適量のコンテンツを個々で磨いて光らせた方が分かりやすく、より魅力的になるはずだ。
育成素材確保はあくまでサブコンテンツなのだから、もっとシンプルにして欲しかった。
ドット絵2Dアクションの限界
ガデテルの特徴である「ドット絵アクション」。
とっつきは良く、最初は逆に新鮮味すら感じた。
しかし、それは時間が経つにつれて飽きてしまいやすい。
さらに、クオリティの高い3Dアクションゲームが溢れている令和の時代に、奥行き感のないドット絵のアクションにどうしても限界を感じてしまう。
個人的には30年ほど前に流行した、ファミリーコンピュータ時代の「SDガンダムカプセル戦記」を思い出してしまうほどだ。
ドット絵キャラに表情を強調させたり、効果音を交えるなどの工夫は見られる。
しかし、そこに今のゲーム戦国時代を生き抜く底力があるかと言えば、難しいところだ。
一言いいたい!
「イマイチな点」の中から、特に筆者が気になった点について一言いっておきたいコーナー。
今回は「武器ガチャがユーザーを遠ざける」だ。
運営にとって何より売上は重要だ。
だからしっかりと集金できるように仕様を工夫する。
その結果、キャラと武器のガチャ2本で、たくさんガチャを回してもらう。
となったのであろう。
今更その点を否定するつもりはない。
しかし、ユーザーの立場からすると「キャラと武器を両方とも当てないといけないのか・・・」というモヤモヤした気持ちが充満してしまう。
このままでは一部の重課金者のみが残って、その他は脱落しやすくなってしまうと考える。
典型的な「先細り」するパターンに陥ってしまうであろう。
ヒットしているゲームは無課金者や微課金者でも、それなりに楽しめるように「逃げ道」のような仕掛けが設けられているケースがある。
そうすれば口コミなどで宣伝費をかけずにユーザーを獲得できる起爆剤にもなり得るので目先の売上以上に貢献してくれる可能性はある。
もし筆者が今の時点で起死回生の策を打つとしたら、「マイレージ革命」をおすすめしたい。
通常ガチャを回さないとマイレージはもらえない。
ここでゲームバランスを考慮しつつ、毎週か毎月か期限を区切って獲得できる上限枚数を定め、ゲーム内コンテンツでマイレージを獲得できるようにするのだ。
これで新規プレイヤーの離脱率を下げることができれば、復活の可能性は十分あるだろう。
離脱してしまえばそれまでだが、残ってくれれば将来に希望が持てる。
まとめ
総合評価 74点/(100点満点)
1年以内にサービス終了する可能性 40%
ガデテルは「つかみはOK」のゲームだと思う。
工夫を凝らしてユーザーを楽しませよう!という姿勢を感じるからだ。
しかし、ある程度攻略が進んでくると「マンネリ化」の波が押し寄せてくる。
特にバトルは2Dなので、動きが単調になりがちだ。
さらにアクションについては任天堂の名作「ゼルダの伝説」を明らかに意識した内容なので、一部のユーザーからすると新鮮味はほぼないだろう。
サービス開始から1年経過して決して順調とは言えないが、将来に希望が無いわけではない。
ポイントは「3Dアクションは難しいからちょっと・・・」というライトゲーマー層をどれだけ取り込めるかが勝負だ。
特に手軽にできる対人や協力コンテンツは魅力があるし、すぐにマッチングして始められるので、ちょっとだけゲームするにはちょうどよいのだ。
本格的なゲームは他に譲るとして、ガデテルのストロングポイントをいかにユーザーに受け入れてもらうかが今後の課題となるだろう。
今回のレビューは以上である。
良質なゲームアプリとの出会いの参考になれば幸いだ。
この記事で使用している画像は、KongStudios / Yostar / ガーディアンテイルズに帰属しています。
©KongStudios / ©Yostar