・ブルプロの強みって何だろう?
・ブルプロは何故スマホに対応していないのかな?
・ブルプロは覇権を取れるの?
このような疑問をお持ちの方に向けて、記事を書いています。
今回は、BlueProtocolの攻略に関わる内容は一切含まれておりません。
あらかじめ、ご承知おきください。
ブルプロをマーケティング目線で分析してみた
今回は、一風変わった角度からブルプロに迫ります。
ブルプロが目指したモノを、マーケティング目線で紐解いていきます。
気楽にひとつの読み物として、ご覧ください。
最初にマーケティングについて、少しだけ触れておきます。
マーケティングとは、ズバリ「価値のやりとり」です。
やりとりなので、お互いの当事者が存在します。
ブルプロに例えますと、「バンナム(バンダイナムコ)」と「ユーザー」です。
バンナムは、ブルプロを通じて「ユーザーに楽しい」を提供します。
ユーザーは、楽しいの対価として「お金」を支払います。
この記事では、ブルプロの価値である「楽しい」とは具体的に何なのか?ということについて、掘り下げていく予定です。
また、ブルプロを語る上では外せないキーワードがあります。
「ブルプロらしさとはこれだ!」と言えるような、ブルプロの方向性を表すキーワードです。
以下、3つのキーワードに照らし合わせながら、話を進めて行こうと思います。
・皆が待っているRPGを作る
※ブルプロのプロジェクトが立ち上がるきっかけとなった、バンナム社内でのプレゼンにて、資料の最後に書いてあった言葉。
・ジャパニメーション
※単なるアニメ調ではなく、劇場版アニメのレベルを目指し、アニメらしさを感じられることを積み重ねて実現したグラフィック。
・アドリブのある冒険
※ログインするたびに新鮮な気持ちで、新しい発見があるような異世界体験。
上記のキーワードについては、別記事ブルプロってどんなゲーム?にて詳しく解説しています。
時間に余裕のある方は、ご一読ください。
ベネフィットについて
ベネフィットとは、「顧客(ユーザー)にとっての価値」のことを指します。
そして、ベネフィットは大別しますと、以下の2つがあります。
一般的な2つのベネフィット
機能的ベネフィット:早い、便利、おいしい、など。
情緒的ベネフィット:かっこいい・かわいい、優越感・充実感、思い出・記念、など。
ユーザーは、これらの欲求に対して満足感が得られる時に、対価を支払います。
では、これらのベネフィットをブルプロに置き換えると、一体どうなるでしょうか?
・サーバーが安定している。
・チャンネル変更は不要で、常に最適化される(オートスケール)。
・自動マッチングが素早く、正確にされる。
・大人数のレイドミッションでも、スムーズに動作する。など・・・
・キャラクリにこだわって、個性的なキャラで冒険できる。
・かっこいい・かわいい衣装や、アクセサリを身に付ける満足感。
・難易度の高いミッションをクリアする達成感。
・気の合う仲間たちと、写真を撮るなどのコミュニケーション。など・・・
このようにブルプロは、多くのベネフィットをユーザーに提供しています。
また、前述した3つのキーワードが、大きく関わっています。
セグメンテーションとターゲティングについて
たしかに、ベネフィットをユーザーに提供することは重要です。
しかし、それだけでは十分とは言えないんです。
例えば雑誌ですと、年代や性別に関わらず、すべてのユーザー向けの雑誌って面白そうですか?
ですよね。結局は、「20代女性向けのファッション誌」とかにしないと売れないですよね。
このように、良いモノでも「顧客(ユーザー)を分けて絞る」ことができないと、ビジネスとしては成り立ちません。
ユーザーを分けること:セグメンテーション(年代や、性別で分けるなど。)
ユーザーを絞ること:ターゲティング(20代の女性にするなど。)
一般的には上記のように、どのようなサービスでもセグメンテーションとターゲティングが成立します。
では、これらのセグメンテーションとターゲティングをブルプロに置き換えると、どのようになるのでしょうか。
ゲーム業界の場合は、年代や性別では分けにくいところがあります。
そのため、プラットフォーム(対応機種)で分けるのが妥当でしょう。
・ソシャゲ(iOS / Androidなど)
・コンシューマー(Switch / PS5 / Xboxなど)
・PC(Windowsなど)
プラットフォームの決定は、タイトルのクオリティや方向性に大きく影響します。
ブルプロは、何を基準にプラットフォームの決定をしたのでしょうか。
ここで、冒頭のキーワードを確認してみます。
・皆が待っているRPGを作る
・ジャパニメーション
・アドリブのある冒険
バンダイナムコがブルプロを通じて達成したいのは、これらのキーワードです。
そして、それらの目標が達成できるハードとして、「PC」が選ばれました。
※その後、PS5とXbos X/Sの追加対応が発表されます。
つまり目標の達成には、ハイスペックなゲーミングPCが必要だという結論です。
そのためブルプロはスマホ対応をせず、PCにターゲットを絞ったことになります。
差別化について
そうですか!
文字面からも、想像しやすいかもしれませんね。
ですです。
まさにその通りで、競合に無い価値や競合より高い価値をユーザーに提供して、選んでもらうことですね。
しかし差別化はそれだけではなく、3つの軸を使い分ける必要があるんですよ。
差別化というワードは、日常的にも目にする機会があるので、馴染みやすいかもしれません。
ただ、どのような手法を使って差別化をしていくのかは、とても重要になります。
一般的な差別化の3つの軸は、以下の通りです。
手軽軸では、ある程度の品質のものを安く、便利に提供して差別化します。
商品軸では、最高品質・最高技術の製品・サービスを提供して差別化します。
密着軸では、ユーザーに密着し、徹底的にユーザーのニーズに応えることで差別化します。
これらの3つの軸は、すべてを狙うことはできません。
1つから、多くても2つまでに絞って、戦略を練るのがセオリーです。
理由は、すべてを満たそうとすると、特徴のない商品/サービスになってしまうからです。
明確な狙いがある商品と、特徴がぼんやりした商品では、結果に大きく影響します。
では、差別化をブルプロに置き換えますと、どの軸が優先になるのでしょうか。
ここでも、冒頭の3つのキーワードが重要な役割を果たします。
特に、ハイスペックなゲーミングPCによって表現される「ジャパニメーション」は、間違いなく「商品軸」と言えるでしょう。
実際、セルルック調のアニメらしい表現は、カメラを固定しないと再現が難しい技術です。
その難題を、アニメらしさを感じられる要素を地道に積み重ねた結果、自由な角度から映しても「劇場版クラスのアニメそのもの」と言っても過言ではないレベルに到達したのです。
この技術は、他社がマネしたくても、そうカンタンにはマネできないレベルでしょう。
まさに、競合に無い価値や競合より高い価値をユーザーに提供していることになります。
他社の追随を許さないほどのグラフィックで勝負するブルプロですが、その代償として「手軽軸」を諦める決断をしました。
つまり、iOSやAndroidなどのソシャゲカテゴリのことです。
※その代わり、PS5やXboxを追加対応して、ある程度のサービス提供範囲を確保しています。
いいえ、必ずしも商品軸だけではないと思います。
ブルプロは、密着軸でも勝負しています。
そうです!
まさにブルプロ通信が、密着軸そのものだと思います。
そうですね。
かばん関係やアドベンチャーボードなどは、ユーザーの意見があったからこそ、良い修正につながったと言えると思います。
さらにブルプロ通信は、原則として月に1回は配信される予定になっています。
ただでさえ次々とアップデートしたり、トラブルの対応で忙しいわけですから、これはスゴイことです。
手間のかかることですが、地道にやり続ける成果として、ユーザーとの信頼関係が生まれます。
ユーザー側から見ても、柔軟に意見を取り入れてくれるブルプロは魅力的です。
まさに、バンナムとユーザーが「俺たちのブルプロ」を作っている。と言っても過言ではないと思います。
このようにブルプロでは、差別化の3つの軸のうち「商品軸」と「密着軸」で皆が待っているRPGを目指します。
4つの「P」について
あっ、はい。
でも、次で最後なので、もうすぐ終わりますよ!
そんなこと言わずに、もう少しだけお付き合いください。
というわけで、締めくくりは「4つのP」について見ていきましょう。
あー、残念!
たしかによく聞きますが、プロデューサーは入っていません。
分かりましたっ!
ユーザーに価値を提供して、対価をいただくことを実現するのが、以下の「4つのP」です。
Product | 製品・サービス | 価値を実現する |
Promotion | 広告・販促 | 価値を伝える |
Place | 流通・チャネル | 価値を届ける |
Price | 価格 | 対価をいただく |
これらの「4つのP」をブルプロに置き換えると、どうなるのでしょうか。
1つずつの項目を掘り下げると、文量が非常に多くなるため、スーパーざっくりまとめます。
Product:スムーズに動作する安定したサーバー、劇場版アニメレベルのグラフィック。
Promotion:各メディアでのCM、ブルプロ通信、SNSの活用。
Place:ゲーミングPCやPS5、Xboxを通じてサービスを提供。
Price:かっこいい・かわいい衣装やアクセサリに、価値を感じたら対価をいただく「Pay to Joy」のスタイル。
上記の「4つのP」が絶妙なバランスで機能すると、「皆が待っているRPG」に一歩ずつ近づいていけると思います。
この中で1点だけ気になった点を挙げますと、SNSの活用です。
ブルプロでは、SNSを積極的に活用してプロモーションをしている印象です。
このSNSを活用する戦略は、個人的には大賛成です。
理由は、グラフィックに強みのあるブルプロは、SNSとの相性が良いからです。
自然と、かっこいい・かわいい画像が拡散すれば、大きな広告効果があります。
さらに、SNSでの情報発信は費用がほとんどかかりません。
そのため、SNSが広告として機能してくれれば、浮いた予算をアップデートや新規コンテンツの開発に回せます。
※ブルプロをSNSで盛り上げれば、少なからずブルプロの発展に貢献できると思います。まさに元気玉のようですね!(爆)
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回はマーケティング目線で、ブルプロの魅力に迫ってみました。
記事を書いていて、1つ気付いたことがあります。
それはブルプロが目指していることと、実際にやっていることが、見事なまでに一貫しているということです。
ブレない姿勢は、とても大事だと思います。
ゲーム業界あるあるですが、目先に利益に目が眩んで、八方美人のように幅広いプラットフォームに対応したとします。
すると、何を目標にしたタイトルなのか分からなくなり、結果としてユーザーに受け入れられず失敗作になってしまうのです。
その点ブルプロでは、こだわるところはトコトンこだわっています。
譲れないところは、しっかりと守っている印象です。
その結果、キャラクターはもちろん、背景やオブジェクトの細部に至るまで「クリエイターの魂が宿っている」かのような完成度を実現したのだと思います。
今回はここまでとなります。
少しでも参考になれば幸いです。
それでは良いブルプロライフを!
この記事で使用している画像は「株式会社バンダイナムコオンライン」「株式会社バンダイナムコスタジオ」に帰属しております。
©BANDAI NAMCO Online Inc. ©BANDAI NAMCO Studios Inc.