eスポーツを楽しむためには、ゲーミングPCがあれば十分でしょうか?
いいえ、実はゲーミングPCの性能を発揮するには、適したモニターも必要です。
そこで今回は、失敗しないゲーミングモニターの選び方をお届けします。
eスポーツ競技者のための最強ゲーミングモニターガイド
ゲームプレイにおけるゲーミングモニターの重要性
eスポーツにおいて、日々の練習は重要です。
しかし、適切な環境が整わない状況での練習では、良い結果に結びつかないかもしれません。
それは何故でしょうか?
せっかく高性能なゲーミングPCを手に入れても、モニターが一般的なビジネス用途のモノで合った場合、残念な結果になってしまいます。
つまり、ゲーミングPCの性能を最大限発揮するためには、ゲーミングモニターが必須となります。
この記事では、ゲーミングモニターが初めての方向けに、具体的に何に気をつけて選べばよいかをご案内します。
ぜひ最後までご覧ください。
ゲーミングモニターの基本要素
ゲーミングモニターを選ぶ要素は意外と多いです。
しかし、実際にゲームを楽しんでいる姿をイメージすれば、選択しやすくなると思います。
ジャンルや、ゲームタイトルによっても適正は変わるでしょう。
目標の機能を満たしているか確認して、最適な1台を探してみましょう。
モニターサイズ
モニターサイズは、物理的な大きさです。
TVでも40型、50型などが家電量販店に並んでいると思います。
ただ、ゲーミング用途で使われるモニターは、そんなに大きくありません。
ミリ秒単位の反応で勝敗が決まりますから、適正なサイズがあります。
eスポーツで利用される機会が多いサイズは、概ね以下の3種類です。
・24インチ
・27インチ
・32インチ
例えば24インチですと、メーカーや型番によっては23.5とか23.8インチと表記されていることもあります。
ただ、ざっくり分けると上記の3つに分類されると思います。
選び方の目安としましては、目線を動かす幅が小さいかどうかです。
目線をほどんど動かさなくて済めば、それだけ素早く反応できます。
この感覚は、実機で確認するのが1番です。
可能であれば、PCショップなどで見比べてみましょう。
サイズが小さいと、FPSなどガンシューティング系で有利になります。
サイズを大きめにすると、リアルタイムストラテジー系やレーシング系などでは、少し引いて全体を見たほうが分かりやすいケースもあります。
また単純に、画面サイズが大きめの方が迫力があって、よりゲームが楽しくなる要素もあります。
競技者ではなく、eスポーツを楽しみつつ映画などの動画も視聴したい場合も大きめのサイズの方がメリットが大きいかもしれません。
注意点としましては、32インチになると、横幅が70cmを超える機種が多いです。
デスクの大きさを考慮して、サイズは慎重に選びたいです。
脇にサブモニターを予定している場合は、なおさら余裕をもって設置できるかチェックしておきましょう。
解像度
解像度は、どれだけ詳細に画像を表示できるかを示します。
具体的に選ぶ基準としては、主に以下の3種類です。
※ウルトラワイドについては、非対応のタイトルもあるため、お好みでどうぞ。
・フルHD (1920×1080ピクセル)
・WQHD (2560×1440ピクセル)
・4K (3840×2160ピクセル)
これら3つのうち、どれを選ぶかの基準は「ゲーミングPC本体に合わせる」のが1番です。
それは何故なのか?
具体例で確認してみましょう。
例えば入門用のゲーミングPC本体を、15万円ぐらいで買ったとします。
次に、モニターを選ぶ際に思いました。
「できるだけ高精細な表示にしたいから、4Kモニターにしよう!」
ここに大きな落とし穴があります。
何を間違ったのでしょうか?
フルHDよりWQHDや4Kの方が、表示するピクセル(画素数)は多いです。当然ですね。
そうなると、PC本体にかかる負担も大きくなります!
これを考慮せずにモニターを選んでしまうと、後が苦しくなります。
入門用のPCで4Kモニターを利用すると・・・
最悪、紙芝居のようにカクカクしたゲームプレイしか、できないかもしれません。
※ゲームタイトルや設定によって差はあります。
そのため、ゲーミングPC本体とモニターの解像度は「同じレベル」でバランスの良い組み合わせで選んでいただくのがおすすめです。
何となく気になった方向けに、筆者の実体験をご紹介します。
・自分のHPやアイテム表示など、いわゆる「UI」(ユーザーインターフェイス)の表示割合が小さくなった。
つまり、操作するキャラクターや、バトルフィールドなどの視認性が上がって快適になった!
という経験があります。
単純に画質が高精細になってキレイ。
という以外にも、メリットはあるもんだなぁ。と感じました。
※ゲームタイトルによって、結構違いがあると思います。
パネルタイプ
液晶ディスプレイとして、画像を表示するパネルのことです。
製造方法の異なるパネルによって、それぞれ特徴があります。
主なパネルは、以下の3種類となります。
・TNパネル (Twisted Nematic)
・VAパネル (Vertical Alignment)
・IPSパネル (In-Plane Switching)
それぞれのパネルには特徴があります。
しかし、どれが1番というより、それぞれのパネルの特徴をつかんでいただく方が良いと思います。
その中で、自分に必要なパネルをチョイスしていただければOKです。
3つのパネルの特徴を、それぞれ簡単にご紹介します。
TNパネル
・反応速度が速い(高リフレッシュレート、低レスポンスタイム)
・低価格(他のパネルに比べると、比較的安い)
・色再現性や視野角の広さに課題アリ。
VAパネル
・高コントラスト比(鮮やかな色と、黒の違いをはっきりと美しく表示できる。)
・広い視野角と豊かな色再現性(画面を異なる角度から見ても一貫しており、色彩も豊か)
・レスポンスタイムが遅め(速い動きが得意ではない)
IPSパネル
・色の再現性が高いため、グラフィックデザインなどのプロフェッショナル用途に有効。
・広い視野角と高い色精度(広い色域をサポート)を持つ。
・価格が少々高め。
上記のような特徴がありますが、技術の進歩によって状況は変化しつつあります。
長所はより魅力的になり、短所を克服するようなモデルも登場しています。
リフレッシュレート
リフレッシュレートは、1秒間に何枚の画像を表示できるかを数字に表したものです。
この説明だけでは分かりづらいですね。
具体的に60Hz(ヘルツ)は、1秒間に60枚の画像を表示できることになります。
高速で紙芝居をめくっているようなイメージですね。
eスポーツを楽しむのに適しているゲーミングモニターは、何ヘルツあればよいのでしょうか?
予算のこともあるので、筆者の独断で基準を2つ設けさせていただきます。
1:最低限 100Hz以上
2:推奨 144Hz以上
ちなみに一般的なビジネス用途のモニターは「60Hz」です。
そのため高性能なゲーミングPC本体でも、モニターが一般ですと、もったいないことになります。
何がもったいないのでしょうか?
仮に高性能なPCが「140FPS」出せる性能だったとします。
しかしゲーミングモニターでなく、一般モニターの利用ですと「60FPS」の表示になってしまうのです。
※PC本体の性能は「FPS」で表記、モニターでは「Hz」と表記しますが、細かいことは気にしなくて大丈夫です。
上記の理由から、ゲーミングモニターを選ぶ際に「リフレッシュレートは1番大事」と覚えておいてください。
仮にその他の機能が良かったとしても、リフレッシュレートがダメであれば、そのモニター自体がダメと言わざるを得ません。
リフレッシュレートだけは、絶対に譲れない!
これを合言葉にオンラインショップでお探しください。
ゲーミングモニターを探すなら、最低でも100Hz以上のモニターをぜひ!
レスポンスタイム
リフレッシュレートと同じく、レスポンスタイムも重要です。
レスポンスタイムは、PCで処理されたデータが、モニターに表示されるまでの「遅延」の程度を数字で表したものになります。
説明が分かりづらくてすいません。
例えば、人が手を動かす時に脳が司令を出して、実際に手が動くまでの遅延がどのぐらいなのか。
ということを、脳(ゲーミングPC)、手が動く(モニターに表示される)に置き換えてイメージしてください。
レスポンスタイムについては、オンライショップの表記では「◯◯ms」と表示されます。
マイクロソフトではありません(笑)
これは「ミリセカンド」と読みます。
実際はどんな意味なのでしょうか?
1msは、1ミリセカンドですが、1,000分の1秒となります。
1ミリセカンドが1,000回経過すると、1秒です。
陸上の100メートル足で、9秒90と9秒89の選手のどっちが速いかを見分けるのは大変だと思います。
これで100分の1秒の差です。
1msがどれだけ低遅延なのかが、お分かりいただけると思います。
前置きが長くなりましたが、ゲーミングPCとして好ましいレスポンスタイムの基準は以下の通りです。
・レスポンスタイム:1桁(9ms以下)であればOK
※1msに近ければ、尚良し!
少々緩めな基準ですが、実際10msで100分の1秒です。
ゲームプレイしていて、100分の1秒以下のタイミングを体感するのは並じゃありません。
常人には、ほとんど分からないレベルです。
そのため、9ms以下であれば十分eスポーツを楽しめるレベルと言って良いと思います。
パネル形状(平面 or 湾曲)
最後にモニター本体の形状について、触れておきたいと思います。
端的に、画面がまな板のように真っ平らなのか、曲がっているかです。
選ぶ基準はいくつかありますが、個人の好みで選んで良いと思います。
ただ、将来プロゲーマーを目指すぞ!という方は、平面モニターが無難です。
理由は、多くの大会で使われるモニターは、恐らくほぼ平面だからです。
普段自宅で湾曲(局面)モニターを利用して、競技大会で平面になるとプレイに影響がでるかもしれません。
そのあたりを考慮して選んでください。
しかし、湾曲パネルにもメリットはあります。
キーワードは「没入感」です。
画面が曲がっているので、平面に比べると、左右の表示が見やすいです。
平面から変更した初日は多少違和感がありますが、すぐに慣れます。
そして、慣れてしまうとそれが当たり前になるのです。
特にレージングゲーム系は、高い没入感が得られやすいので、より集中できるかもしれません。
湾曲パネルを検討する方向けに、選ぶポイントをご紹介します。
ポイントは以下の2点です。
・湾曲率1000R
・湾曲率1500R
多くのオンラインショップで見かけるのは、上記2パターンと思います。
ただ、そもそも◯◯Rとは何なのか?となると思います。
まずはその点について、ざっくりと確認しておきましょう。
1000Rの場合ですと、半径1メートルの円と同じ曲がり具合となります。
つまり1000Rのモニターは、半径1メートルの円の一部分を切り取ったような形状になります。
また1000Rは、人間の肉眼とほぼ同じ湾曲率なので「見え方が自然」です。
よって、湾曲モニターを選ぶ際は「1000Rのモニター」がおすすめとなります。
最適なゲーミングモニターの選び方
予算に合ったモニターの選択
既に、ここまでのご案内で結構長くなってしまいました・・・(反省、反省・・・)
そのため、端的にびしっとお伝えしたいと思います。
限られた予算内で最適なモニターを選ぶ際は・・・
・リフレッシュレートを最優先に!(最低100Hz、できれば144Hz以上)
・その他の機能は、お財布と相談・・・
という感じになります。
具体的には、まずは金額を気にせず、良いと思ったモデルをいくつかピックアップします。
その中に予算範囲のものがあれば、決定です!
しかし、すべて予算オーバーだった場合。
優先度の高い機能を軸に、選び直しましょう。
例えば、モニターサイズやパネルタイプです。
妥協できる機能を調整して、1番納得度の高いモニターをゲットしましょう。
信頼できるメーカーの選び方
そうですね・・・
ここまで機能についてご案内しましたが、「メーカー」も基準に加えても良いかもしれません。
はい。
少なくとも「安物買いの銭失い」にならないメーカーをご紹介します。
魅力的なメーカーは数多く存在しますが・・・
今回は、その中から2つに絞ってご紹介します。
MSI
MSI(MicroStar International)は、1986年にソニー台湾の元技術者によって台湾で設立された、ゲーミングデバイスメーカーです。
長年、グラフィックボード(グラボ)やマザーボードなど、数々の製品を世に送り出しています。
MSIは、世界中で20以上のeSportsチームをサポートしており、世界的に有名なゲームトーナメントMSI MGA(マスターズゲーミングアリーナ)の主催者です。
つまりMSIは単なるゲーミングデバイスメーカーではなく、eスポーツにも力を入れており、今後もプロゲーマーと協力して魅力的な製品をリリースしていくことでしょう。
ゲーミングモニターとしては、最新機種が投入される頻度が高く、常に最新技術に磨きをかけている印象です。
特に湾曲モデルは他メーカーと比べても、頭1つ2つ分ぐらい抜きん出ている印象です。
湾曲モデルに興味があれば、ぜひともチェックしておきたいです。
Pixio
Pixio(ピクシオ)は、2016年にアメリカのゲーマー集団によって設立されました。
取り扱っている製品は「ゲーミングモニターに特化」というラインナップです。
そのため、ゲーミングモニターに対するこだわりが強く「高品質なモニターを低価格で提供する」を目標に、不要なコストをカットする努力を続けています。
実際に他メーカーと比べても、スペックの割にはお財布に優しい価格設定な印象です。
「できるだけ安く済ませたいけど、変なメーカーのモニターは嫌だ」という方に、うってつけかもしれません。
どれだけコスパに優れているのかは、ぜひ他メーカーと比べて見てください。
後発メーカーとしては、かなり頑張っているのではないかと思います。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、ゲーミングモニターの選び方についてお届けしました。
ここでポイントを復習しておきましょう。
・モニターサイズ(物理的な大きさ:24インチとか27インチなど)
・解像度(表示できる画素数:フルHDとかWQHDなど)
・パネルタイプ(TNパネル、VAパネル、IPSパネル)
・リフレッシュレート(最低100Hz以上、推奨144Hz以上)※特に重要!
・レスポンスタイム(反応速度:推奨は9ms以下)
・パネル形状(平面 or 湾曲:ゲームジャンルやタイトルによりお好みで)
その他、FreeSync、G-sync、ブルーライトカット、ナイトビジョンなど色々とあります。
しかし、上記6項目をチェックしておけば大丈夫です。
この記事でご紹介しました6項目をご理解いただくと・・・
オンラインショップのスペック表も怖くない!と思います。
安くない買い物ですし、ゲーミングPC本体と合わせて、納得の1台を見つけていただければ幸いです。