という方におすすめの記事です。
この記事は毎週更新しており、今回は「2020年5月25日~5月29日」までの週が対象です。
この記事を読むと以下の点を確認できます。
その他、世界の主な金融市場にも触れています。
メキシコペソ、トルコリラ、南アランド、スワップポイント比較ランキング
ランキングの前に、新興国通貨を取り巻く環境を確認しておきたいです。
まずは、「為替」以外の主な金融市場をチェックしておきましょう。
「為替」は、金融市場の一部分でしかないからです。
その他の金融商品の動向をチェックすると、以下のようなメリットがあります。
特に2つ目が超重要です。
目先の小銭を稼いでも、金融危機でやられてしまうのは、とてもキツイです。
いわゆる「コツコツドカン」の典型となってしまいます。
多くの人が負ける理由はここにあると思っています。
そのためFXで稼ぐ場合でも、幅広い金融市場に目を向けてみましょう!
【2020年5月25日~5月29日の世界の主な金融市場の動向】
[table id=2-200530 column_widths=”34%|25%|25%|16%”/]
集計日:2020年5月30日
米国と中国の「新冷戦」が大きく注目されています。
新疆ウイグル自治区の悲惨さはもちろんですが、香港の問題が表面化しています。
中国は、英国から香港が返還された際に50年は1国2制度を保つことを明言していましたが、それを揺るがす状況になっています。
5/29に米国トランプ大統領が中国をけん制するような発言をしています。
発言の内容が、即座に貿易協定破棄や追加の関税の発表に至らなかったことで市場は安堵しているかもしれません。
しかし、これから長きにわたる戦いははじまったばかりなのです。
日本は、米国と中国の狭間でおろおろしてとても情けなく見えます。
まるで関ヶ原の合戦で優柔不断な小早川氏のようです。
何処かから大砲が飛んできて尻を叩くようなことがないと何の決断もできないのでしょうか。
コロナの対応も重要ですが、政府には今後のことをしっかり見据えて欲しいです。
今週のメキシコペソ、南アランド、トルコリラ
それでは高金利通貨それぞれの政策金利とレートを確認しましょう。
メキシコ、南アフリカ、トルコの政策金利
南アフリカ:3.75% 次回発表:7月23日
トルコ :8.25% 次回発表:6月25日
メキシコ、南アフリカ、トルコの為替レート
南アランド/円: 6.14円 先週:6.11円
トルコリラ/円: 15.81円 先週:15.79円
※2020年5月30日(土)早朝の終値を計測。小数点第三位を四捨五入。
高金利3通貨のスワップポイント比較一覧
続いて高金利通貨であるメキシコペソ/円、南アランド/円、トルコリラ/円に特化したスワップポイント一覧です。
スワップポイントは頻繁に変動するため、定期的なチェックをオススメします。
・メキシコペソ、南アランド、トルコリラの取扱いがある。
・「スプレッド」が良心的であること。
※一覧の確定益や含み益については別記事にてご案内しています。
【FX】スワップポイントの税金が発生するタイミングは?
※一覧の数字単位は「円」、( )内は先週の結果となります。
[table id=1-200530 column_widths=”28%|18%|18%|18%|18%”/]
※くりっく365はGMOクリック証券他、多数の証券会社にて取引可能です。 一覧集計日:2020年5月30日
各社ごとに月~金のスワップポイントを合計し、付与日数で割る。
以下、計算例 ※( )は付与日数、小数点第二位は四捨五入。
A社:0円(0)+14円(1)+14円(1)+52円(4)+15円(1)=95円、95円÷7(日)=13.6円
B社:9円(1)+11円(1)+24円(2)+11円(1)+10円(1)=65円、65円÷6(日)=10.8円
※各社ごとに土日祝の扱いが異なるため、この計算方法を採用しました。
結果、純粋に1日あたりのスワップポイントを算出しています。
※各社ごとの最低通貨単位が異なるため、1万通貨で統一しました。
今週のTOP3
今週のお得なFX会社TOP3をチェックしましょう!(各1万通貨、1日あたり)
1位:11.0円 LIGHT FX
2位:8.0円 YJFX!
3位:7.1円 くりっく365
1位:8.9円 FXプライムbyGMO
2位:6.0円 ヒロセ通商、JFX
1位:14.4円 くりっく365
2位:9.9円 YJFX!
3位:6.3円 FXプライムbyGMO
為替相場は徐々に回復しつつあります。
しかし、短期の金融市場が不安定なのか、スワップポイントが証券会社によって大きく差が開いています。
早く安定して政策金利に見合ったスワップを提供して欲しいものですね。
【2020年】通貨ペア別スワップ運用のポイント
ここからは、リスク管理の考え方についてお伝えします。
・南アフリカランド/円
・トルコリラ/円
各通貨ペアそれぞれのポイントを押さえていきます。
キーワードは、
「自己資金」、「通貨数」、「ロスカットライン」です。
特にロスカットラインを明確にしておくことが、「安心」に繋がります。
無理のない設定をして、スワップポイント生活を始めましょう!
【緊急追記(3/7)】相場の急変により大きく下落しています。
下記の例にとらわれず、リスク管理には十分ご注意下さい。
メキシコペソ/円のスワップ投資戦略
では早速、メキシコペソ/円のスワップ投資戦略を見て行きましょう。
以下は、2009年頃からの長期(月足)のチャートです。出所:Trading View ※このチャートは2020年初頭頃のものです。
チャートを見ると、高値が約8.7円、安値が約4.9円となっています。
ポイントは、最安値の4.9円になってもロスカットしない設定にすることです。
【以下、緊急追記】
【3/14追記】3/12に最安値を更新し、4.50円を記録しました。
【3/21追記】3/19に最安値を更新し、4.42円を記録しました。
【3/28追記】3/24に最安値を更新し、4.35円を記録しました。
【4/4追記】4/3に最安値を更新し、4.33円を記録しました。
【4/11追記】4/6に最安値を更新し、4.22円を記録しました。
ギリギリコースを4.2円に再設定しています。
●ロスカット4.2円コース ※ドラクエ的(ガンガンいこうぜ)
4.86(現在値)-4.2(ロスカットライン)=0.66円
1万通貨が0.66円下落すると、含み損は6,600円
6,600円+1,944円(証拠金)=8,544円 となります。
●ロスカット3.5円コース ※ドラクエ的(みんながんばれ)
4.86(現在値)-3.5(ロスカットライン)=1.36円
1万通貨が1.36円下落すると、含み損は13,600円
13,600円+1,944円(証拠金)=15,544円 となります。
●ロスカット3.0円コース ※ドラクエ的(いのちをだいじに)
4.86(現在値)-3.0(ロスカットライン)=1.86円
1万通貨が1.86円下落すると、含み損は18,600円
18,600円+1,944円(証拠金)=20,544円 となります。
ここまでは、メキシコペソ/円のリスク管理を確認をしました。
保有可能ポジション数と年利の計算方法(メキシコペソ/円)
おっと、これは失礼しました!
利益率の確認・・・大事ですよね。
それでは実際どの程度の儲けが見込めるか、チェックしましょう。
まずは投資開始時の自己資金で、何万通貨ポジションが持てるか計算します。
※メキシコペソ/円を1万通貨保有するのに必要な想定自己資金は15,544円。
100万円÷15,544円=64.33…
よって、小数点を切り捨てると64万通貨持てることになります。
続いて上記で計算した64万通貨が、どの程度働いてくれるのか計算します。
1万通貨のスワップポイントは今週1位の11.0円で計算します。
11.0円×64万通貨=704.0円(1日あたり)
704.0円×365日=256,960円(年間)
256,960円÷1,000,000円(自己資金)×100=25.00…
よって、年利は25%となります。
これらを参考にして、安定したスワップ投資戦略を検討してみて下さい。
※当然スワップポイントは変動しますので、参考レベルにしてください。
南アフリカランド/円のスワップ投資戦略
次に、南アフリカランド/円のスワップ投資戦略を見て行きましょう。
以下は、2009年頃からの長期(月足)のチャートです。
出所:Trading View ※このチャートは2020年初頭頃のものです。
チャートを見ると、高値が約13.1円、安値が約6.3円となっています。
ポイントは、最安値の6.3円になってもロスカットしない設定にすることです。
【以下、緊急追記】
【3/14追記】3/9に最安値を更新し、5.94円を記録しました。
【4/4追記】4/3に最安値を更新し、5.67円を記録しました。
【4/11追記】4/6に最安値を更新し、5.60円を記録しました。
ギリギリコースを5.6円に再設定しています。
●ロスカット5.6円コース ※ドラクエ的(ガンガンいこうぜ)
6.14(現在値)-5.6(ロスカットライン)=0.54円
1万通貨が0.54円下落すると、含み損は5,400円
5,400円+2,456円(証拠金)=7,856円 となります。
●ロスカット4.5円コース ※ドラクエ的(みんながんばれ)
6.14(現在値)-4.5(ロスカットライン)=1.64円
1万通貨が1.64円下落すると、含み損は16,400円
16,400円+2,456円(証拠金)=18,856円 となります。
●ロスカット4.0円コース ※ドラクエ的(いのちをだいじに)
6.14(現在値)-4.0(ロスカットライン)=2.14円
1万通貨が2.14円下落すると、含み損は21,400円
21,400円+2,456円(証拠金)=23,856円 となります。
ここまでは、南アフリカランド/円のリスク管理を確認をしました。
保有可能ポジション数と年利の計算方法(南アフリカランド/円)
それでは、メキシコペソ/円と同じように、利益率を確認しましょう。
まずは投資開始時の自己資金で、何万通貨ポジションが持てるか計算します。
※南アランド/円を1万通貨保有するのに必要な想定自己資金は18,856円。
100万円÷18,856円=53.03…
よって、小数点を切り捨てると53万通貨持てることになります。
続いて上記で計算した53万通貨が、どの程度働いてくれるのか計算します。
1万通貨のスワップポイントは今週1位の8.9円で計算します。
8.9円×53万通貨=471.7円(1日あたり)
471.7円×365日=172,170.5円(年間)
172,170円÷1,000,000円(自己資金)×100=17.00…
よって、年利は17%となります。
これらを参考にして、安定したスワップ投資戦略を検討してみて下さい。
※当然スワップポイントは変動しますので、参考レベルにしてください。
トルコリラ/円のスワップ投資戦略
最後にトルコリラ/円のスワップ投資戦略を見て行きましょう。
以下は、2009年頃からの長期(月足)のチャートです。
出所:Trading View ※このチャートは2020年初頭頃のものです。
チャートを見ると、高値が約66.7円、安値が約15.3円となっています。
ポイントは、最安値の15.3円になってもロスカットしない設定にすることです。
【以下、緊急追記】
【5/2追記】5/1に最安値を更新し、15.15円を記録しました。
【5/9追記】5/7に最安値を更新し、14.62円を記録しました。
ギリギリコースを14.6円に再設定しています。
●ロスカット14.6円コース ※ドラクエ的(ガンガンいこうぜ)
15.81(現在値)-14.6(ロスカットライン)=1.21円
1万通貨が1.21円下落すると、含み損は12,100円
12,100円+6,324円(証拠金)=18,424円 となります。
●ロスカット12円コース ※ドラクエ的(みんながんばれ)
15.81(現在値)-12(ロスカットライン)=3.81円
1万通貨が3.81円下落すると、含み損は38,100円
38,100円+6,324円(証拠金)=44,424円 となります。
●ロスカット8円コース ※ドラクエ的(いのちをだいじに)
15.81(現在値)-8(ロスカットライン)=7.81円
1万通貨が7.81円下落すると、含み損は78,100円
78,100円+6,324円(証拠金)=84,424円 となります。
ここまでは、トルコリラ/円のリスク管理を確認をしました。
保有可能ポジション数と年利の計算方法(トルコリラ/円)
ではこれまでの通貨と同様に確認していきましょう。
まずは投資開始時の自己資金で、何万通貨ポジションが持てるか計算します。
※トルコリラ/円を1万通貨保有するのに必要な想定自己資金は44,424円。
100万円÷44,424円=22.51…
よって、小数点を切り捨てると22万通貨持てることになります。
続いて上記で計算した22万通貨が、どの程度働いてくれるのか計算します。
1万通貨のスワップポイントは今週1位の14.4円で計算します。
14.4円×22万通貨=316.8円(1日あたり)
316.8円×365日=115,632円(年間)
115,632円÷1,000,000円(自己資金)×100=11.00…
よって、年利は11%となります。
これらを参考にして、安定したスワップ投資戦略を検討してみて下さい。
※当然スワップポイントは変動しますので、参考レベルにしてください。
スワップ投資のリスク管理まとめ
各通貨それぞれ3つのコースでリスク確認をしてきました。
結局どのコースを選んでも、大なり小なりのリスクは存在します。
特に初めて資産運用をする場合は、ロスカットラインの設定があること自体に抵抗を感じるかもしれません。
でも、その危機意識は大事です。
きっと堅実な投資家になれると思います。
レバレッジ取引が気になる方へのおすすめは・・・
ズバリ、レバレッジ1倍の現物取引で行きましょう!
収益効率は落ちますが、堅実な運用をしつつ、自己研鑽して力をつけましょう。
自信がついてからレバレッジ取引を開始してもOKです。
又、各通貨のロスカットラインの設定について補足説明します。
3つの通貨を見比べると、コースの金額設定がまちまちになっていると思います。
これは各通貨、いいえ、各国がこれまで歩んできた経緯や、現在の立ち位置等を考慮の上で、管理人の所感で設定しています。
【2020年】メキシコ、南アフリカ、トルコの見通し
長くなってすいません。もう少しお付き合い下さい。
この後は、投資する上で知っておきたい各国の見通しについてお伝えします。
という方は、以下のキーワードだけでもチェックして下さい。
そして今後のニュースで、そのキーワードが出たら注目・判断の材料にしましょう。
※ここで言う主なニュースとは、FX会社の口座開設すると無料で閲覧できるリアルタイムニュースのことを言います。
2020年に注目するキーワードをざっくりチェック
では早速キーワードを確認しておきましょう。
これらのキーワードに敏感に反応できるようになれば、大きな相場の流れを捉えやすくなります。
結果、大きなチャンスの場面で、自信を持って判断・行動できます。
この考えは、スワップ投資でも自動売買でも断然プラス材料です!
(金融危機を察知して回避することは、利益をあげるより重要と考えます。)
【共通】「コロナショック(仮称)」の影響
を2/29時点で緊急追加します。
世界中に与える影響があまりにも大きいです。
新型肺炎COVID-19が終息へ向かうタイミング=大チャンスです。
2020年:メキシコ、南アフリカ、トルコ共通の見通し
ここからは、高金利通貨であるメキシコ、南アフリカ、トルコ各国の2020年の見通しについて確認していきます。
まずは3ヵ国に共通して言えることから見ていきましょう。
1点ずつ、順番に確認していきます。
米中問題の動向を注視する
2018年10月頃から世界中が懸念している問題です。
この問題は米中新冷戦とか米中貿易戦争とか言われています。
それはアメリカと中国が、いわゆる「大国」であり、この2か国が争うことによる世界中に与える影響が大きいからなのです。
これまでは、お互いに関税の上乗せをして泥試合の状況でした。
しかし2020年に入ってから、第1段階通商合意をするなどの進展を見せています。
フラッシュクラッシュに注意する
フラッシュクラッシュとは、相場が急激に大きく動くことを言います。
突発的にネガティブニュースが出た時などに、発生します。
先進国の通貨に比べ、メキシコ・南アフリカ・トルコは通貨の流動性が低いことから、大きく影響を受ける可能性があるからです。
取引量が少ないところに急に大きな売り注文がくると、瞬間的にチャートが急降下することがあります。
とならないように、余裕を持った運用を心がけましょう。
アメリカの政策金利の動向を注視する
アメリカは世界経済の中心です。
そのアメリカが政策金利を上下させることは、特別な意味があります。
アメリカが利下げ⇒ドルの価値下落⇒新興国への投資が増加
となりやすいからです。
当然メキシコ・南アフリカ・トルコも影響を受けやすいです。
※FOMCは約6週間ごとに年8回開催され、議事要旨は3週間後に公表されます。
ちなみにアメリカの政策金利は、2019年に3回利下げされています。
しかもこれまでの歴史上、一旦方針転換すると最低でも3~4年は変更することはありませんでした。
よって、このセオリー通りに考えると、今後2~3年はアメリカの利上げの可能性はかなり低いと想定されます。
新興国にとってはプラス材料です(*´▽`*)
アメリカの大統領選挙の行方を注視する
2020年は4年に1度のアメリカ大統領選挙が行われます。
焦点は、トランプ大統領が再選できるかです。
これまでトランプ大統領は、「自国優先主義」を掲げて強力なリーダーシップを発揮してきました。
もし再選が危ぶまれれば、様々な分野で世界経済に与える影響も大きくなります。
そうなれば世界経済の不安定要素となるからです。
先行き不安になると、相場が大きく崩れる懸念も出てきます。
演説等から見極めれば、投資判断の材料になっていくはずです。
イギリスEU離脱後のEUとの貿易交渉
2020年1月末にイギリスはEUから離脱しました。
しかし、2020年末までは「移行期間」となっています。
離脱したはいいものの、イギリスはEUとの間に、貿易等の大事な約束事を決められていないからです。
2020年3月から自由貿易協定の交渉が開始されます。
交渉期限は2020/12/31までのたった10ヶ月しかありません。
通常、国家間の協定交渉は平均5年ほどかかると言われています。
そのため、10ヶ月ですべてを決めるのは厳しいです。
恐らく部分的に合意して、残りは交渉継続・・・となりそうな予感です。
ボリス・ジョンソンさん・・・どんなシナリオを描いているんでしょうか。
このイギリスとEUの交渉がうまくいかないと経済的に問題が発生します。
移行期間⇒関税はかかりません。
しかし、今後はどうなるか不透明です。
イギリスで好調な企業も、ある日を境にEUから、がっつり関税を取られたら・・・
いきなりピンチです。
巡りめぐって、世界経済に影響を及ぼすことになると思います。
そのため、イギリスとEUの交渉は注視していきましょう。
2020年:メキシコの見通し
ここからは各国個別の見通しについて確認していきます。
まずはメキシコからです。
では、1つずつ確認していきましょう。
経済停滞からの脱却
メキシコは、ロペス政権の経済政策への不透明感が不安要素となります。
2018年12月1日にロペス・オブラドール大統領が就任しました。
その後ロペス政権は、経済政策を実施します。
しかし目立った成果を出せず、経済が停滞しています。
⇒結果、メキシコ中央銀行は経済成長の見通しを下方修正しました。
元々メキシコは、治安が悪く汚職も多い国です。
そして貧富の格差が広がっています。
国の経済が健全に発展しないと、機関投資家よりお金が集まりづらいです。
USMCAによる経済の活発化
2019年12月にアメリカ、メキシコ、カナダの3ヵ国がUSMCAの修正議定書に署名しました。
USMCAは「the United States-Mexico-Canada Agreement」の略となります。
文字通り、アメリカ、メキシコ、カナダ3ヵ国の貿易協定のことです。
では、よりUSMCAの理解度を高めるために、少し前に戻って整理してみましょう。
元々USMCAの前は、1994年に発効した北米自由貿易協定(NAFTA)という別の協定がありました。
しかしトランプ大統領が、そのNAFTAに異を唱えました。
以下、トランプ大統領の主張。
「NAFTAがアメリカの貿易赤字を膨らませて、国内の雇用を奪っている。
よって、協定の再交渉を要求する!」
この主張の裏には、トランプ大統領の思惑がありました。
(協定を再交渉できれば、政権の支持基盤である白人労働者にアピールできるぞ!)
こうしてトランプ大統領の主張から始まったNAFTAの再交渉・・・
そこにはアメリカの主張が色濃く反映されました。
「自由貿易(Free Trade)」の文言を外したり、
アメリカへの乗用車輸入台数に数量規制を導入するなど構成が異なったことから、NAFTAとは別の新協定としてUSMCAが生まれたのです。
結果、アメリカの主張が大きく反映された協定となりましたが、無事に2020年よりUSMCAが正式に発効されることになりました。
そうですね。トランプ大統領の影響は大きかったと思います。
しかし、協定の内容より「話がまとまって安定して貿易が継続できる」ことが市場からは歓迎されています。
よって、USMCAの発効は間違いなくメキシコ経済にとってプラス材料です。
アメリカからの圧力(移民問題)
メキシコは、アメリカから移民対策をするよう要請されています。
移民対策をしなかった場合、アメリカから経済制裁を受けてしまうからです。
(メキシコからの輸入品に関税をかけられる等)
そうですね。
でもメキシコ単体で簡単にはできない理由があるんです。
日本から遠く離れたところでは、かなり残酷なことが起こっているということを心のかたすみで覚えておきたいです。
メキシコが避けて通れない移民問題について整理しておきましょう。
アメリカの南に位置するメキシコ。
メキシコのさらに南には、メキシコより治安の悪いグアテマラやホンジュラスがあります。
これらの国では、日本では考えられないような殺人等の犯罪が多発しています。
そのため命を守るために、アメリカへ移民を希望する人が増えています。
しかしアメリカ(トランプ大統領)としては、治安悪化の原因となるため、移民を受け入れない姿勢を崩しません。
そのためメキシコは移民対策をしていますが、対応に苦慮しています。
※人道的に考えれば、なんとかしてあげたいですが・・・難しい問題です。
今後、移民問題でネガティブなニュースが出てこないことを願いたいです。
その他の注意点(メキシコ)
原油の下落は通貨の下げ要因となる。
●輸出の約8割がアメリカが占めるため、アメリカ経済が減速すると影響を受けやすい。
上記2点についても、メキシコペソのレートに影響が出やすいので要チェックです。
しかし、不安なことばかりではありません。
しっかりプラス材料もありますよ!
その他のプラス材料(メキシコ)
メキシコ国外の労働者からの送金額が、過去最高を記録しています。
これはアメリカ等に出稼ぎに来たメキシコ人が、国内に残された家族等にお金を送ってあげているということですね。
海外在住のメキシコ人がメキシコ本国へ送金した金額は、
2019年に360.4憶ドルとなり、過去最高を記録。
2018年の336.7憶ドルから7%増加し、3年連続で300憶ドル超え。
※1ドル110円で、360.4億ドルは、約3兆9,644億円となる。
メキシコ国内の経済が停滞する中、これだけの現金がメキシコに送金されることは、
内需を活発化させるため大いにプラス材料です。
2020年:南アフリカの見通し
さて、続いて南アフリカです。
早速ポイントから見て行きましょう。
では、1つずつ確認していきましょう。
国家の財政不安
南アフリカでは国営企業改革の不調が財政負担となり、経済成長の足を引っ張っています。
具体的な問題点について整理してみましょう。
借金まみれの国営電力会社、エスコムが悩みの種です。
なんと、負債額は約3兆円と言われています。
しかも多額の使途不明金が発覚して信用が疑われています。
発電施設が故障しても修理することも困難な状況です。
そのため、たびたび計画停電を実施して経済停滞を招いています。
国家としても、国費で救済しているため財政負担が大きい状況。
経済立て直しの目途が立たない状態が続いた結果、南アフリカランドが徐々に下落を続ける要因になっています。
改革を進め、早期の財政健全化が望まれます。
信じられないぐらい、ひどいですよね。
でもこれが、リアルな新興国の実情です。
鉱物資源の価格が低迷
南アフリカの主力輸出品である、プラチナ価格が低迷しています。
00年代に高騰したプラチナをはじめとする鉱物資源の価格が低迷すると、国の成長率も低下してしまったからです。
かつて南アフリカは、ブラジル、ロシア、インド、中国と共にBRICSと呼ばれ、成長する新興国の象徴とされました。
プラチナ等の、資源価格に左右されない産業の育成が急務です。
高止まりする失業率
2019年10月29日に発表された南アフリカの失業率は29.1%。
このうち15~24歳の若年層の失業率は、なんと50%を超えています。
まさに、元どこかの県知事がいたら「どげんかせんといかん!」と声を大にしていることでしょう。
失業率が高いと、不当に低賃金で働く外国人労働者(南アフリカに来ている移民)が職を奪っているとの不満が自国民に高まります。
結果、外国人が経営する店舗が襲撃される被害が出て、国内が混乱するからです。
※実際このような襲撃被害が発生しています。
当然、失業率が高いと経済に活気が生まれないですし、犯罪率も高まるので、市場からの評価は得られにくいです。
その他のプラス材料(南アフリカ)
悪い材料ばかりではありませんよ!
光が差し込んで来るような情報もあります。
エスコムを分割したうえで、電力業界への新規参入を促す競争促進策を発表しています。
これにはエスコムの労働組合が強く反発していますが、政権には頑張って改革を進めて欲しいです。
かつて日本には、「自民党をぶっこわす!」と宣言した総理大臣がいましたよね。
その時代の日本では、郵政事業が民営化されました。
まさに南アフリカでは、大きな改革が起ころうとしています。
今後、「国営企業」とか「エスコム」という単語をニュースで見かけたら、じっくりチェックしましょう!
もしかすると大きく利益を伸ばせるチャンスになるかもしれません。
元々南アフリカは、大きなポテンシャルを秘めています。
その南アフリカの財政が、健全化する道筋が見えてきたら・・・
がっつり仕込んで、安心してスワップポイントをもらえるのではないでしょうか。
ラマポーザ大統領の強いリーダーシップに期待しましょう!
2020年:トルコの見通し
さて、最後はトルコです。
早速ポイントを見ていきましょう。
それでは1つずつ確認していきましょう。
★超重要★アメリカとの関係悪化による外交リスク
見出しのタイトルにも強調していますが・・・
めちゃめちゃ心配なんです!
大事なところなので、あえて2回言いました。
ロスカットで損してほしくないので・・・( ;∀;)
冷静にこれまでの経緯を含め、問題点を整理していきましょう。
トルコのエルドアン大統領は、独裁的、強硬姿勢で知られています。
そのため、同じくキャラの濃いトランプ大統領と相性が悪いです。
トルコとアメリカを比較すると、国力に大きな差があります。
そのためアメリカと敵対すると、経済制裁などの打撃を受けるからです。
過去にトルコは、アメリカから経済制裁を受けて苦しむ場面がありました。
2018年のトルコショックは、トランプ大統領が経済制裁をしたからと言われています。
エルドアン大統領は、2016年にトルコで発生した軍事クーデターで死にかけました。
その後2018年に、そのクーデターに関わったとして、アメリカ人牧師がトルコで拘束されます。
この拘束が原因で、トルコはトランプ大統領から経済制裁を受けました。
その代償はあまりに大きかった・・・
2018年8月。トルコリラ/円は23円台後半で推移⇒一気に15円台まで大暴落。
多くのトルコリラ愛好家を恐怖させました。
というわけで、とても心配です。
極端な話ですが、大事なお金を守るためにも、リアルタイムニュースに「トルコ軍がシリアに軍事作戦開始」等の見出しが見えたら、すぐにポジションを整理するぐらいでもいいと思っています。
地政学的リスク
トルコは東はアジア、北にロシア、西側にヨーロッパやアフリカに囲まれています。
そのためこれまでの歴史上、争いが絶えないです。
エルドアン大統領の強硬な性格もあり、武力衝突などのリスクにさらされているからです。
2019年にはトルコ軍が、クルド人攻撃を目的に、シリアへ軍事侵攻しました。
しかもアメリカ軍が、シリアから撤退した直後に発生しました。
これに世界各国から批判を浴びました。
直後、トランプ大統領から経済制裁を受けて、トルコリラは下落しています。
軍事行動の結果、トルコリラのレートに影響が出ています。
政策金利のコントロール
高金利で人気があるトルコリラ。
しかし政策金利が急激に変動すると、マイナス面もあります。
2018年のトルコショックの影響で、政策金利は8%⇒24%へ急上昇。
その後、2019年7月から金利を下げて2020年1月には11.25%としました。
このような不安定な状況で、機関投資家からの信用を得るのは困難です。
過度な高金利を維持⇒強い金融引き締めで、国内経済が停滞
金利引き下げを加速⇒通貨の魅力が薄れ、トルコリラ急落の懸念
火種が絶えないトルコ
気が重くなってきますが、冷静に確認しておきたいことがあります。
(トルコはクルド人のことをテロ組織と考えているが、欧米等各国はそうは思っていない。)
●トルコは、ロシアよりミサイル防衛システムを購入した。
(アメリカと仲が悪いロシアより購入したことは、アメリカから見ると面白くない。)
とにかくエルドアン大統領の影響が、色濃く反映されるのがトルコの特徴です。
エルドアン大統領の発言等のニュースが出たら、危険回避等の行動に繋げられるかもしれません。
ドラクエ的に「いのちをだいじに」の姿勢で臨みたいです。
見通しのまとめ
さあ、いよいよ最後の総まとめです。
ここまで確認してきました見通しについて、重要なキーワードをおさらいします。
・米中問題の動向を注視する
⇒米中両国が、お互いの関税を順調に引き下げていけるか
・フラッシュクラッシュに注意する
⇒特に新興国通貨は大きく影響を受けやすい
・アメリカの政策金利の動向を注視する
⇒新興国への投資の増減が左右されやすい
・アメリカの大統領選挙の行方を注視する
⇒結果によって世界情勢に大きな変化が起こる!
・イギリスEU離脱後のEUとの貿易交渉
⇒2020年12月末の期限までに、どこまで話がまとまるか注目
・経済停滞からの脱却
⇒オブラドール大統領の経済政策の成果に注目
・USMCAによる経済の活発化
⇒発効後、実質経済への効果が反映されていくのか要注視
・アメリカからの圧力(移民問題)
⇒アメリカから経済制裁を受けないための立ち回りが求められる
・国家の財政不安
⇒不採算の国営企業の改革断行が急務!
・鉱物資源の価格が低迷
⇒資源価格に左右されない産業育成が必要
・高止まりする失業率
⇒ラマポーザ大統領の政策が成果をあげているか要注視
・アメリカとの関係悪化による外交リスク【特に要注意】
⇒アメリカとの敵対は、百害あって一利無し!
・地政学的リスク
⇒トルコ軍が軍事作戦を開始すると、リスクが急上昇!
・政策金利のコントロール
⇒適正な水準まで政策金利を調整できるか要注視
重要なのは「世界はつながっている」ということを意識して、投資している国以外のニュースも積極的に見ていくことだと考えています。
様々なニュースが裏でつながっていることに気付くと、より楽しく、興味を持ってウォッチしていけるのではないかと思います。
伝えておきたい大切なこと
これほど長い記事をすべて読んでいただいたということは、本気で稼いで経済的自由を目指されているのだと思います。
だからこそ、本当に大切なことがあるので、お伝えしたいと思います。
資産運用が初心者の方へ向けてのメッセージ
これをFXスワップ運用に例えると、高金利によるスワップポイントで利益を得る代わりに、各国が抱える問題点も一緒に背負うことになります。
(問題点が悪化すれば、通貨が下落して含み損を抱えます。)
高いスワップポイントは魅力的ですが、リスクから目を背けず、常に最悪の事態を考えておくことが重要です。
(最大下落幅の確認をする等のリスク管理です。)
この「投資の本質」は忘れないで下さい。
でも必要以上に警戒する必要はありません。
リスクはありますが、事前にリスクを「見える化」すれば自信を持ってスワップ投資を開始できます。
僕は、このリスクの見える化を「リスクを許容する」と呼んでいます。
今の資産で、この通貨数量で、どこまで下落するとロスカットなのか。
具体的に計算し、どの程度リスクを許容できるか把握しておくことが大切です。
お伝えしたかった理由
僕は2003年頃から資産運用を始めました。
FXのトレードは2009年の後半からで、ちょうどリーマンショックの頃でした。
当初、リスク管理について考える余裕はなく、目先の利益ばかり追いかけていました。
その結果、何度もロスカットを食らって、悲しく、苦しい思いを経験しました。
それでも諦めずに続けて、今では資産運用で生活できるようになっています。
思い返すと、相当な遠回りをしてきたと感じています。
あなたにはロスカットした時の絶望感を、できるだけ味わって欲しくありません。
そのため、このような話をさせていただきました。
最初は小さな一歩から
しっかり学んでからはじめようと思っていると、結局最初の一歩が踏み込めずに、時間がもったいないです。
人生は有限です。
時間は限られています。
投資はやりながら学んでも十分に対応できます。
むしろ、実践で経験を積まないとレベルアップは難しいです。
※ドラクエでも、町の中をウロウロしただけでは、レベル上がりませんよね?
もちろん最初は少額からで大丈夫です。
例えば1万通貨持つだけでも意識が変わります。
確かに1万通貨では、1日で10円ほどしかスワップポイントをもらえないかもしれません。
しかし、この毎日の10円が、あなたの人生を変えていきます。
大げさではないです。マジです。
そして、毎日口座残高が増えていくのを見ると、元気が出ます。
ほんの少しずつでも、経済的自由に近づいていくことが実感できます。
1歩踏み出してしまえば、後は徐々に増やしていけばいいのです。
やがて、給与所得を上回る日が来たら、笑顔で退職届を出すことができます。
もう毎朝満員電車に乗る必要はありません。
職場で人間関係に悩まされることもありません。
すべては、小さな小さな一歩から始まっています。
最初の一歩は、少しだけ勇気を出して踏み出しましょう。
※証券会社の選び方は、以下の別記事にてご案内しています。
【FX・CFD・仮想通貨】もう迷わない!資産運用で選びたい証券会社17選